経営学部エコノデータサイエンス学科新設記念シンポジウム「AIと人間の共生」を開催しました
―大学生と高校生が研究成果を発表し、AI時代の学びと人間の役割を考える―
宮崎産業経営大学は、2026年10月15日(木)、宮崎日日新聞社との共催により、経営学部エコノデータサイエンス学科新設記念シンポジウム「AIと人間の共生」を開催しました。
当日は、島田淳一教授による基調講演と、大学生・高校生が協働して取り組んだ4班の研究発表を実施し、AI時代における人間の判断、責任、創造性、学びのあり方について考えました。学生たちは、身近な課題から問いを立て、アンケート、聞き取り、資料調査、AIを用いた比較・検討を重ね、その成果と今後の課題を報告しました。
シンポジウム会場の様子
AI時代の「賢さ」を考える基調講演
開会に当たり、奥村憲博 経営学部長(プロジェクト総括責任者)が、本取組の趣旨を説明しました。続いて、共催者である宮崎日日新聞社 編集局次長兼報道部長兼論説委員の黒木氏からご挨拶をいただきました。司会は、本村教授(プロジェクト責任者)が務めました。
奥村経営学部長による趣旨説明
宮崎日日新聞社の黒木氏による共催者挨拶
基調講演には、北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科教授・未来デザイン研究センター長の島田淳一教授をお迎えしました。
島田教授は、「AI時代の『賢さ』とは何か?」と題し、AIの悪用、依存、創造性を題材に、AIの出力をどのように受け止め、自ら考え、判断して使いこなすかについて講演されました。AIの便利さだけに目を向けるのではなく、その出力を確かめ、自分自身の問いや判断を大切にする姿勢について考える機会となりました。

「AI時代の『賢さ』とは何か?」と題して講演する北陸先端科学技術大学院大学の島田教授
四つの研究から見えてきた、AIと人間の関わり
学生研究発表では、A~Dの4班が、それぞれ異なる視点から研究成果を報告しました。各班を担当したメンター教員とあわせて、その発表内容を紹介します。
A班「AIと人間の役割分担」
A班は、大学生へのアンケートと高校生への聞き取りを基に、AIへの信頼、回答を確認する行動、責任意識の関係を考察しました。確認の必要性についての認識と実際の確認行動に着目し、調査を踏まえた提案として、「人間の役割5か条」を示しました。AIの回答を利用する際に、人間が何を確かめ、どのように判断するかを考える発表となりました。
研究成果を発表するA班
A班 メンター教員
経営学部 坂本眞人教授
B班「宮崎観光とAI―AIとの共生をどうすべきか―」
B班は、宮崎への再訪旅行を題材に、6通りの観光プランを比較し、専門家による評価を踏まえて考察しました。今回の比較では、対話を重ねて作成したAI案が高く評価され、旅行者への気配りや創造性について考える材料となりました。宮崎観光という具体的な地域テーマから、AIと人間が協働して提案を磨く可能性を探りました。
宮崎観光とAIについて発表するB班
B班 メンター教員
経営学部 本村信一教授
C班「人工知能(AI)の利用と『責任』の所在」
C班は、自動運転や声のAI利用を題材に、被害が生じた場合の責任の所在を検討しました。AIを利用する際の注意に加え、権利の保護や被害の救済をどのように考えるかという問題に取り組み、具体的な事例からAIと社会の関係を考察しました。
AI利用と責任の所在について発表するC班
C班 メンター教員
法学部 今枝昌弘講師
D班「大学生活でのAI活用法」
D班は、大学生のAI利用実態や、上手な利用についての認識を調べ、学びにつなげるための三つのポイントと具体的な活用方法を提案しました。利用者が感じる便利さや使いやすさと、実際の学習効果を区別し、提案した方法の効果は今後検証すべき課題として示しました。大学生活に身近な場面から、AIを自分の学びにどう生かすかを考える発表となりました。
大学生活でのAI活用法について発表するD班
D班 メンター教員
経営学部 雑賀智子講師
研究成果を、これからの学びへ
学生発表後は、宮崎日日新聞社の黒木氏の進行により、質疑・講評を行いました。学生たちは、AIの出力をどのように確認・修正したのか、今後どのような検証が必要なのかについて、自分たちの研究を振り返りながら回答しました。島田教授とAI活用アドバイザーの岡夏樹教授からも、AIとの対話や出力の検証、人間自身が問い、判断することの重要性について講評をいただきました。

宮崎日日新聞社の黒木氏によるモデレーション
島田教授による講評
AI活用アドバイザーの岡教授による講評
総括では、奥村学部長が各班の成果を振り返り、調査や比較から言えることと、これから検証する提案を区別することの重要性を確認しました。また、AIの答えを受け取るだけでなく、自ら問いを立て、資料や他者の意見に照らしながら考えを修正していく過程を、大学生と高校生がともに経験したことに、本プロジェクトの意義があると述べました。
AIの性能向上が加速度的に進み、教育・産業・地域社会への実装も急速に広がる中、本学は今後も、高等学校や地域の皆様との連携を大切にしながら、AIを主体的に活用し、根拠に基づいて考え、自らの言葉で発信する学びを育んでまいります。また、来年度以降も、変化し続けるAIと社会の動向を捉えた学生研究に継続的に取り組み、その成果を教育と地域社会へ還元してまいります。
ご講演いただいた島田教授、共催いただいた宮崎日日新聞社、ご協力いただいた高等学校ならびに関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
(文責: 経営学部長・プロジェクト総括責任者 奥村憲博)





