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経営学部合同ゼミ(出山、墨、武次、柚原、日髙)による 「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」研究視察報告!

 去る平成26年2月21日(金)、本学経営学部の出山実ゼミ(財務会計論、情報会計論)、墨昌芳ゼミ(観光政策論、観光経済論)、武次玄三ゼミ(職業教育、演劇論・演劇学)、柚原知明ゼミ(経営組織論、経営戦略論)と日髙光宣ゼミ(広告論、マーケティング・コミュニケーション論)は、合同ゼミによる「宮崎県工業技術センター」及び「宮崎県食品開発センター」への研究視察を行ってきました。

 「宮崎県工業技術センター」は、県内工業技術の振興を図るため、中小企業の技術開発や技術力の向上を支援する公設試験研究機関として、研究開発・技術指導・依頼分析等の支援業務を行っております。また、「宮崎県食品開発センター」は、県内の食品企業、地域の食品加工グループ等への支援する食品の総合試験研究機関として、食品に係わる研究開発・技術指導・依頼分析等の支援業務を行っております。

 本研究視察の実現に際しては、「宮崎県工業技術センター」所長の古賀孝士様及び「宮崎県食品開発センター」所長の森下敏朗様より、本学合同ゼミ活動に対するご理解を賜り、受け入れ許可をいただきました。また、大変お忙しい中ご対応いただきました両センター企画・デザイン部長の清水正高様をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。

 下記の通り、本研究視察に関する1.研究視察日時・訪問先、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4. 柚原知明先生の研究視察総括、についてご報告いたします。

 

1.研究視察日時・訪問先

○研究視察日時: 平成26年2月21日(金)13:30~15:30
○訪問先(所在地住所):「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」
            (宮崎市佐土原町東上那珂16500-2 宮崎テクノリサーチパーク内)

 

2.写真集

写真1 「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」の美しい外観です。

 
写真2 ご説明に聞き入る学生たちの様子です。

 
写真3 「宮崎県食品開発センター」研究施設見学の様子です。

 
写真4 「宮崎県食品開発センター」で共同開発された加工食品商品群です。

 
写真5 「宮崎県工業技術センター」設備利用施設見学の様子です。

 
写真6 「宮崎県工業技術センター」にある最新のパーソナル3Dプリンターです。立体物のデータをもとに樹脂加工して、非常に複雑な形状の造形品も出力可能です。

 
写真7 シラス多孔質ガラス(SPG)の研究結果を見せていただきました。

 
写真8 共同開発された「リハビリテーション機器(歩行器)」を試用体験させていただきました。学生諸君の表情と雰囲気が、和らいだひと時でした。

 

 

3.参加したゼミ学生の感想

(経営学部2年生出山ゼミ 松川美紀さん)
 宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターについて、見学に伺って話を聞くまでどのような場所なのかよく知りませんでした。県内の中小企業との共同で実施する研究開発についての話を聞き、一つの研究開発が形となって企業の競争力になるまで多くの時間や人が関わっていることが理解できました。さらには、それが洗練されて、市場に普及するまでにはより多くの時間がかかり、研究開発の大変さを実感できました。企業の方々が何か商品を作りたいときに相談すると技術提供から販売補助までをプロモーションしてくれるという場所があるということをもっとアピールすることで、今以上に県の特産品を利用した商品ができるのではないかと思いました。

(経営学部2年生墨ゼミ 岩田海空くん)
 今回、宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターを研究視察することができて大変勉強になりました。ずっと、宮崎に住んでいるけど、このような施設があるということは知りませんでした。しかし、研究視察という貴重な場を与えていただいたことで様々なことを知ることが出来ました。宮崎県工業技術センターでは、SPG(シラス多孔質ガラス)の研究でこれを応用することによって環境や食品開発がより発展していくことが出来るとわかりとても興味がわきました。また、宮崎県食品開発センターでは企画デザイン部で話を聞いた際に商品のデザインだけでなく商品の流通などマーケティングも行うということでイメージと違いましたが、いろいろな技術が集まっていてとても面白かったです。
 宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターの皆様、大変お忙しい中、貴重なお時間を割いていろいろなことを教えてくださりありがとうございました。

(経営学部2年武次ゼミ 三森エリカさん)
 今回は、宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターを訪問し、県内産業の振興を図る活動等を知ることが出来ました。宮崎県工業技術センターでは、研究開発に関して資源環境部、材料開発部、機械電子部の3つに分かれており、センターオリジナルの開発であるSPG(シラス多孔質ガラス)について詳しくお話を聞きました。宮崎の地域資源であるシラスを生かしたもので、細かい粒子(泡)を作るものです。東京の企業と提携し商品開発を行っているそうです。また、宮崎県技術センターでは、福祉にも貢献しており脳梗塞で半身麻痺になった方に優しい補助器具を開発していました。宮崎県食品開発センターでは、宮崎の特産物を使い独自の製法で商品を作っていました。焼酎も作っており、デザインも各企業と提携しながら作っているとのことでした。サザエさんの波平の兄である海平のお酒もあり、興味を惹かれました。デザインをするところでは、企業のトータルデザインをしており、企業の方と話し合い商品開発に対するアドバイスを行っているそうです。3Dプリンターで作ったものを実際に見たのですが、試作品には可動性もあり、その可能性に驚きました。
 今回の見学では、宮崎の特産物や資源を使い宮崎の中小企業を支援するセンターがあることを初めて知りました。両センターの行っている支援が広がり、中小企業がもっと活躍出来るように自分たちにできることを考えていきたいです。

(経営学部3年生出山ゼミ 渡辺博くん)
 今回の見学により企業の研究開発のプロセスと、県内企業の研究開発のフォローする宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターの役割について理解することができました。両センターは、県の施策として資金や技術的な理由から研究開発ができない中小企業をサポートし、ゴボチや缶詰のたくあん等の素晴らしい商品を生み出しています。中小企業にとっては、自社の優位性を高めるために活用できる機関だと思います。県内においては、両センターがこれまで以上に活用され、様々なアイディアや技術、優れた商品が生み出されることを期待しています。

(経営学部3年生柚原ゼミ 山﨑納津美さん)
 施設見学の中で紹介していただいた「ゴボチ」や「たくあんの缶詰」などの商品は、メディアでも紹介された商品も多くありました。さらに食品だけでなく、医療・福祉分野では病院などと共同研究開発し、リハビリ機器等を開発しており、様々な分野において支援が可能であることが分かりました。 研究開発にはコストがかかり、特に中小企業にとっては大きな負担となりますが、宮崎県工業技術センター・食品開発センターと共同研究することで低コストでの研究開発が可能となり、企業の発展における重要な役割を担う施設だと感じました。
 就職を控えた私達にとって、この両センターの存在を知る良い機会となりました。お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

 

4.柚原知明先生の研究視察総括

 今回の研究視察は、宮崎県における科学技術のシンクタンク(think tank)として重要な役割を担っている「宮崎工業技術センター」、及び「宮崎県食品開発センター」への訪問となりました。両センターは、宮崎テクノリサーチパーク内の緑あふれる美しい環境の中に位置し、厳しい地域間競争と国際競争に晒されている宮崎県内の工業・食品企業を対象に科学技術的側面からの研究支援を行っている研究所です。具体的な研究支援としては、研究開発・共同研究、依頼試験・設備利用、技術相談・技術指導、技術交流・情報提供等を行っております。宮崎テクノリサーチパーク内の敷地内には、現在4企業が研究支援を受けながら研究開発を行っております。また、「宮崎県食品開発センター」が共同開発した商品群には、私たちの身近な人気商品であるゴボウのチップ菓子「ゴボチ」、ブルーベリーの葉茶「べリーフ」、芋のヨーグルト「たろヨーグルト」等が存在しております。

 具体的な研究視察としては、様々な研究開発の実態と研究設備、開発された商品群、設備利用に関する見学をさせていただきました。特に研究開発としては、病院や企業からの依頼に基づくリハビリテーション機器(歩行器)開発の実態についてご説明いただき、開発された機器のご紹介と実際の試用体験もさせていただきました。また、設備利用の事業については、大型プリンターからの横断幕の出力、現在話題の立体物を表すデータをもとに樹脂を加工して造形する装置である「3Dプリンター」による設計・製造プロセスと複雑な形状の造形試作品のご紹介をいただきました。多くの学生諸君にとっては、科学技術に関する研究開発の現場見学は初めての経験であり、非常に新鮮な印象と大きな驚きを感じたことと思います。

 本学の学生諸君は、日頃社会科学や人文科学を学ぶ学徒として法学、経営学、経済学、語学、歴史学、哲学、心理学等を中心に学んでおります。私たちの社会にとって社会科学や人文科学は、非常に重要な学問領域です。しかしながら、社会科学や人文科学の学問領域だけでは、様々な矛盾・歪・対立・格差等の課題を包含しながらも今日の高度化した豊かな近代社会を形成・発展させることができるわけではないのです。例えば、私たちの社会の課題である地域経済の発展や地域振興は、科学技術の存在・発展と密接に関わりながら今日に至っております。科学技術に関する主な学問領域としては、自然科学(数学、物理学、化学、生物学、医学、薬学等)や応用科学である工学(電気・電子工学、機械工学、情報工学、化学工学、生命工学、原子力工学等)が存在します。今年度の「特別講義」(平成25年11月21日)においては、両センター企画・デザイン部長としてご活躍の清水正高様より“宮崎県工業技術センター・食品開発センターの社会的役割と今後の展望”というタイトルで科学技術に関する大変興味深いご講演をいただきました。本学の学生諸君が、日頃学んでいる社会科学や人文科学の学問領域をベースとして科学技術の領域に対してもより一層の興味や問題意識を持ってもらいたいと思います。幅広い学問領域に対する興味と知見は、必ずや将来に向けて私たちを取り巻く社会の発展に貢献し、学生諸君の職業人生へ充実と豊かさをもたらすものと思います。

 本研究視察終了時には、渡辺博くん(出山ゼミ3年生)が合同ゼミ学生全員を代表して立派に御礼の挨拶を行ってくれました。これらの経験は、今後における本学での学習、及び将来の職業人生において必ず貴重な財産になるものと思います。学生諸君は、研究視察(本学の授業含む)において常に高い問題意識を持ちながら、質問や意見を整理して積極的に発言する姿勢が重要です。質の高い質問や意見は、訪問先のご対応いただいている関係者の皆様に対する礼儀でもあります。ぜひ、今後においても継続的に研鑽を積み上げていってもらいたいと思います。

 最後になりましたが、私たちの研修視察に対してご理解とご許可をいただきました「宮崎県工業技術センター」所長の古賀孝士様、「宮崎県食品開発センター」所長の森下敏朗様、及び受け入れ準備と懇切丁寧なご対応をいただいた両センター企画・デザイン部長の清水正高様をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。今後における両センターの工業・食品企業をはじめとする地域社会へのご貢献とご発展を心より祈念申し上げます。

以上

 
(編集 経営学部/出山実)

ご来店ありがとうございました!!

 宮崎県中小企業団体中央会が設けた、新規創業への理解と次世代を担う創業者を育成することを目的とした学生チャレンジショップに、経営学部の日髙光宣教授のゼミ生がチャレンジしました。
 市内中心部の橘通3丁目の空き店舗を利用し、1月18日(土)から2月1日(土)までの期間限定で、販売する商品の選定や陳列・接客など創業・運営のノウハウを実践的に学びました。現場で体験を通じて学ぶ手法は、経営学部の実践する“アクティブラーニング(受け身の勉強ではなく自主的に活動し体験を通じて学ぶ手法)”でもあり、参加したゼミ生は貴重な体験をすることができました。
 貴重なチャンスをいただきました宮崎県中小企業団体中央会の皆様、ご来店いただきました皆様、ありがとうございました!!

いらっしゃいませ~!!

いらっしゃいませ~!!

ご来店ありがとうございます!!

ご来店ありがとうございます!!

お買い上げ ありがとうございます!!

お買い上げ ありがとうございます!!

平成25年度学位記授与式(卒業式)のご案内

平成25年度学位記授与式及び卒業祝賀パーティーを下記のとおり行います。

学位記授与式

日時:

平成26年3月19日(水)
受付 午前9:00~
開式 午前10:00
※9:50までにご入場ください。

会場:

ニューウェルシティ宮崎
宮崎市宮崎駅東1丁目2番地8
℡ 0985-23-3311

卒業式地図1クリックをすると拡大表示されます

 
お問い合わせ
宮崎産業経営大学 教務課
℡ 0985-52-3199 [直通]

 

卒業祝賀パーティー

日時:

平成26年3月19日(水)
受付 午後12:00~
開宴 午後12:30

会場:

宮崎観光ホテル
宮崎市松山1-1-1
℡ 0985-27-1212

卒業式地図2クリックをすると拡大表示されます

 

※会場駐車場は台数に限りがありますので、できるだけ公共交通機関を利用してください。

 
お問い合わせ
宮崎産業経営大学 学生支援課学生係
℡ 0985-52-3202 [直通]

ピンクリボン活動みやざき企画委員会にてプロアクションカフェを開催しました

1月24日、ピンクリボン活動みやざき企画委員会において、プロアクションカフェを開催しました。

宮崎産業経営大学は、本年度からピンクリボン活動みやざきの協賛団体となり、経営学部公開講座の教員を中心にフューチャーセッションの開催や大学祭にて乳がん検診などを実施してきました。

これまでのセッションの経験から、ピンクリボン活動をより普及していくためには積極的に関わる主体を増やすことが課題であると認識していました。そこで、今回の企画委員会では、協賛団体として日々ピンクリボン活動に関わっている方々の想いを形にすることを目的としたプロアクションカフェを実施しました。

テーマは、「みんながやりたいピンクリボン活動」。プロアクションカフェは、まず参加メンバーから、自らが主体となって実現したいアイディアを募ります。提案されたアイディアを5つに絞り、提案者とそれに協力したいメンバーをチームにして企画案を作成してもらいます。

生まれてきたアイディアは、①初等教育におけるガン教育の必要性、②スマホのアプリ作成、③名刺などへのシンボルマークの活用、④乳がん検診手帳の作成、⑤成人式などでの受診無料券の配布方法、に関するものでした。ここに出てきたアイディアは、今後担当者と提案者が中心となって実現していくことになります。

本年度、フューチャーセッションで示してきたピンクリボン活動の新しい可能性。今回のプロアクションカフェでは、それに続く新たなプレーヤーと企画が生まれました。どれか一つでも、来年度の企画として、実現してほしいと思います。

ピンクリボン1ピンクリボン2ピンクリボン3ピンクリボン4ピンクリボン5

(本件へのお問い合わせ)  
経営学部公開講座担当 出山・山田

サッカー部が全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の初戦に勝利しました。

12月14日(土)に神奈川県厚木市の荻野運動公園陸上競技場で開催された第62回全日本サッカー選手権大会の1回戦で北陸大学に3対0で勝利し2回戦に進みました。2回戦は18日(水)に明治大学と対戦いたします。ご声援をお願いいたします。

ピンクリボン活動に関わるフューチャーセッション成果報告

本年度、経営学部公開講座委員会では、宮崎県健康づくり協会ピンクリボン活動みやざきと共催でフューチャーセッションを開催してきました。フューチャーセッションのテーマは、宮崎県内における乳がん検診受診率全国ワースト4位という現状を受けて、「ピンクリボン活動を盛り上げるためにはどうしたらいいのか」を軸に設定しました。全3回のセッションでは、毎回、ピンクリボン活動関係者、患者会、協賛団体、社会人、学生などが集まり、フューチャーセッション方式で対話を重ねてきました。それぞれのセッションの様子は、下記のサイトをご覧ください。

 

第1回セッション「アクションにつながるピンクリボン活動」:
https://www.ourfutures.net/sessions/200

第2回セッション「みんなのつながりから始まるピンクリボン活動」:
https://www.ourfutures.net/sessions/210

第3回セッション「ピンクリボンで結ぶ女性の未来」:
https://www.ourfutures.net/sessions/243

 

全3回のセッションの中で、これまでピンクリボン活動関係者と検診受診の対象となる女性だけの関係であったピンクリボン活動を、男性や子ども、家族、友達などの「みんな」へ対象を広げること、そして対象となる女性だけでなく、みんなが行動することが大事であることがアイディアとしてあがりました。そして、このアイディアをもとに、みんなの行動をデザインし、新しいピンクリボン活動のリーフレットを成果物として完成させました。

 

リーフレット
「あなたの大切な人のためにピンクリボン活動に参加しませんか(PDFで開きます)」

 

本学ではこれからも、地域社会や組織の課題を解決していくフューチャーセッションを通じて、社会とのかかわりを大切にしていきたいと考えています。

経営学部公開講座

本学野球部が第2回九州地区大学野球連盟 新人戦で優勝しました!!

11月24日(日)に熊本県で行われた新人戦の決勝トーナメントで、見事優勝いたしました。

対 崇城大学 6-3(準決勝 延長10回タイブレーク)
対 別府大学 2-1(決勝)

今回の結果を糧に更に精進し、本学運動部を盛り上げていきたいと思います。
今後ともご支援ご声援の程、よろしくお願い致します。

宮崎産業経営大学 硬式野球部

 

第2回九州地区大学野球連盟新人戦優勝

「第42回 秋季全日本学生サーフィン選手権大会」団体優勝。染矢敏史君(FRESH MEN)と大野カイリさん(FRESH WOMEN)は個人優勝!

11月2日から3日に静岡県下田市白浜大浜海岸で開催された「第42回 秋季全日本学生サーフィン選手権大会」にて見事団体優勝を果たしました。個人戦では優勝した1年生の染矢君、大野さんの他にも、ボディーボードの部で植田彩花(営4年)さんが準優勝、WOMENの部で山本麻里乃(営3年)さんが3位、そしてMENの部では河田樹(営3年)君が4位、山田貴豊(営3年)君が5位、森園雅貴(営2年)君が6位、児玉椋(営1年)君が7位、酒井祐太郎(営3年)君が8位入賞しました。

経営学部合同ゼミ(出山実、柚原知明)による社会医療法人同心会「古賀総合病院」研究視察報告!

 去る平成25年11月11日(月)、本学経営学部の出山実ゼミ(財務会計論、情報会計論)と柚原知明ゼミ(経営組織論、経営戦略論)は、合同ゼミによる社会医療法人同心会「古賀総合病院」への研究視察を行ってきました。
 社会医療法人同心会「古賀総合病院」は、内科・外科を中心に25の診療科で構成されており、宮崎市郡北西部を主な医療圏とした中核病院であり、地域医療施設と連携を行っている急性期疾患を対象とした宮崎県を代表する総合病院です。 本研究視察の実現に際しては、社会医療法人同心会「古賀総合病院」の院長「今村卓郎様」より本学合同ゼミ活動に対するご理解を賜り、受け入れ許可をいただきました。また、ご対応いただきました社会医療法人同心会理事「丸山博史様」をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。
 下記の通り、本研究視察に関する1.研究視察日時・訪問先、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4.柚原知明先生の研究視察総括、についてご報告いたします。

 

1.研究視察日時・訪問先

○研究視察日時: 平成25年11月11日(月)14:30~17:00
○訪問先(所在地住所): 社会医療法人同心会「古賀総合病院」
                (宮崎県宮崎市池内町数太木1749-1)

 

2.写真集

写真1 ご説明をしていただいた丸山博史理事と小森洋主任
写真1 ご説明をしていただいた丸山博史理事と小森洋主任
 
写真2 ご説明に聞き入る学生たち①
写真2 ご説明に聞き入る学生たち①
 
写真3 ご説明に聞き入る学生たち②

 
写真4 病院内の見学シーン①
写真4 病院内の見学シーン①
 
写真5 病院内の見学シーン②
写真5 病院内の見学シーン
 

 

3.参加したゼミ学生の感想

(経営学部2年生出山ゼミ 中田愛珠さん)
 今回、地域医療支援病院である古賀総合病院に研究視察に行き、現在の複雑化・高度化した医療の現状について学習することができました。古賀病院は民間病院で、社会医療法人という医療外事業から得られた利益を、医療事業に投資してもよい医療法人です。地域社会に必須な医療だとしても、需要の大きい医療でなければ、赤字になってしまうそうです。そこで自立的に公益性のある医療サービスを担うことで、他の事業・医療に投資をし、需要はあるが慢性的な赤字を抱える医療を支えています。全国と比較して、病床数に対して医者が少ない病院で、こうしてさまざまな医療サービスを行い、且つ、コ・メディカルと専門医が協力しながら治療をして、多くの患者の入退院までの過程を支えていることにとても感心しました。

(経営学部2年生出山ゼミ 安樂裕規くん)
 前回に引き続き2回目となる病院の訪問となり、どのようなお話をお聞かせいただけるか大変楽しみでした。お話をお聞かせいただいて印象に残ったのは、現在の宮崎県全体の医療問題に焦点を当てたお話でした。「宮崎県は果たして本当に医者不足に陥っているのか」から始まり、病院のたらい回しの実情等現場で働かれる方々の生の声を聴けて大変ためになりました。
 会計の面からは、人件費比率の高さについて聞かされた時は大変驚きました。それぞれ病院には特色が存在し、それをどのように患者さんや地域の人に伝えるための病院側の努力など面白い話も聞けました。
 宮崎県の医療問題は、他人事ではなく日頃から注意して情報を収集する必要があると感じました。

(経営学部3年生柚原ゼミ 山﨑納津美さん)
 病院の視察は今回が2回目で、どのようなお話が伺えるかとても楽しみでした。病院に到着して、私がまず思ったのは、大きくてきれいな病院だということでした。最初に病院の概要についてご説明いただき、職員数の多さに驚きました。また、各部門でどのような資格を持った方々が、どのような仕事をしているのかについて大変詳しくご説明いただきました。さらに、医師不足やDPC(診断群分類別包括制度)、診療報酬などについてご説明いただき、医療の変化や病院に求められていることについてより理解を深めることができました。
 今回の視察で得たことを、これからの研究に役立てていきたいと思います。お忙しい中、貴重なお時間を頂きありがとうございました。

(経営学部3年生柚原ゼミ 甲斐美帆さん)
 今回、古賀総合病院を視察することが出来て大変勉強になりました。普段の生活のなかでは、病院の経営や抱えている問題、力を入れて取り組んでいることなど深いところまでは知ることは出来ません。しかしながら、研究視察という貴重な場を与えてもらったことで様々なことを知ることが出来ました。実際、今までメディアで聞いてきた病院間での患者のたらい回しの問題も、受け入れたくても受け入れられないという病院側も拒なければならない理由があることを始めて知りました。他にも、日々進化している医療技術の進歩や医者や看護師不足の問題についても学ぶことが出来て、とても身になる時間でした。
大変お忙しい中、貴重な時間を割いてたくさんのことを教えてくださった古賀総合病院の皆様には心より感謝申し上げます。

 

4.柚原知明先生の研究視察総括

 今回の研究視察は、宮崎県を代表する規模(診療科目25科、医師・看護婦・職員数725名、病床数363)を誇る社会医療法人同心会「古賀総合病院」を対象に本学合同ゼミ(出山実、柚原知明)として2回目の医療機関への訪問となりました。社会医療法人同心会「古賀総合病院」の院長「今村卓郎様」からは、本学合同ゼミの研究視察に対するご理解を賜り、理事「丸山博史様」をはじめとする関係者の皆様から心温まる懇切丁寧なご対応をいただきました。

 今日における医療を巡るわが国の状況は、国民医療費の増加、高齢化の進展、医療技術の高度化・複雑化・多様化、医療機器の高額化、医師と患者間における情報の非対称性、医療機能の分化、地域における限られた医療資源の効果的活用に向けた医療機関の連携化等、様々な課題に晒されております。また、患者への医療提供の特質には①無形であり貯蔵が出来ない、②救急患者が存在し需要予測が困難、③治療内容の高度化・複雑化・多様化、④経済合理性としての効率性や生産性だけの追求が困難、⑤尊い人命を預かるという道義的・倫理的な責任を伴う等の課題が存在しております。社会医療法人同心会「古賀総合病院」は、2008年7月1日厚生労働大臣より「DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)」の指定を受けております。従来までの全ての診療内容に対して医療費の合計を算出する「出来高払い方式」から診断群分類に基づいて一部の医療費を定額で算定する「包括払い(DPC/PDPS)方式」による1日当たりの定額報酬算定制度(支払い制度)を導入しております。具体的には、患者の病状に応じて一部の医療費を定額で算定する包括評価部分(投薬、注射、処置、検査等)と出来高評価部分(手術、麻酔、リハビリ等)の組み合わせによって入院費が算定されます。これらの「包括払い(DPC/PDPS)方式」は、今日において「医療の質の向上と標準化」、「効率的・効果的な医療」、「透明度の高い医療」提供を目指して多くの病院で導入されております。ゼミ学生諸君においては、今日における病院経営を取り巻く多様な課題に関して、「包括払い(DPC/PDPS)方式」導入を含めた医療システムの抱える複雑さと奥深さを十分に感じてもらったと思います。

 本研究視察終了時には、山﨑納津美さん(柚原ゼミ3年生)が合同ゼミ学生全員を代表して御礼の挨拶を行ってくれました。これらの経験は、今後における本学での学習、及び将来の職業人生において必ず貴重な経験になるものと思います。ゼミ学生諸君は、研究視察(本学の授業含む)において常に高い問題意識を持ちながら質問や意見を整理して積極的に発言する姿勢が重要です。質の高い質問や意見は、訪問先のご対応いただいている関係者の皆様に対する礼儀でもあります。ぜひ、今後においても継続的に研鑽を積み上げていってもらいたいと思います。

 最後になりましたが、私たちの研修視察に対してご許可をいただいた社会医療法人同心会「古賀総合病院」の院長「今村卓郎様」、及び受け入れ準備と心温まる懇切丁寧なご対応をいただいた理事「丸山博史様」をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。今後における社会医療法人同心会「古賀総合病院」の地域医療へのご貢献とご発展を心より祈念申し上げます。

以上

 
(編集 経営学部/出山実)

法学部 村田ゼミによる、九州大学鶴田滋ゼミとの合同ゼミ報告

 宮崎産業経営大学(以下、産経大)法学部村田治彦ゼミは、去る平成25年9月20日(金)から9月22日(日)2泊3日で福岡に行き、九州大学(以下、九大)の鶴田先生のゼミと合同ゼミを行ってきました。
 合同ゼミ当日には、村田ゼミ7名(2年生6名、3年生1名)、鶴田ゼミ4名(3年生1名、4年生3名)が参加しました。
 ゼミの内容は「当事者からの主張の要否-所有権喪失事由」(最判昭和55・2・7民集34巻2号123頁、最判昭和57・4・27判タ471号105 頁)を題材にした判例研究でした。
 初日の夕食会には井上弘樹教授(現熊本学園大学、元宮崎産業経営大学、当日、九弁連・福弁連主催の「債権法改正研修」出席)、2日目の懇親会には弁護士2名、裁判所事務官1名、裁判所書記官1名のゲストに来て頂くことができました。
 下記に1.日時とスケジュール、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4.村田の総括を、ご報告いたします。

 

1.日時とスケジュール

行 程

行 事

9月20日(金)

宮崎 (10:43) 発  高速バス
博多駅(14:32)着

18:00~20:00
    ホテル泊

 

福岡地方裁判所(写真1)
夕食会(写真2)

9月21日(土)

 
    バス

13:00~17:00
18:00~20:00
福岡発  電車
久留米着
    ホテル泊

魚市場(写真3)

九州大学(写真4)
合同ゼミ(写真5・6)
懇親会(写真7)

久留米の夜(写真8)

9月22日(日)

久留米発 電車
福岡天神着

博多駅(1805)発 高速バス
宮崎(22:05)着

 

天神散策

 

2.写真集

写真1 福岡地方裁判所 写真2 夜の食事会(博多もつ鍋)
写真3 ゼミ前の朝食の海鮮丼 写真4 九大正門前にて記念写真
写真5 合同ゼミの場面 写真6 村田ゼミ作成のレジュメ
写真7 合同ゼミ後の懇親会 写真8 久留米ラーメン店前

 

3.参加したゼミ学生の感想

■ 新田 星(2年生)

 今回の合同ゼミは、私自身、人生の転換期ではないかと思えるほど収穫の多い実りある経験になりました。
 まず、今回の合同ゼミの相手が九州大学のゼミと聞いた時は、正直私自身に勉強意欲がなく、資格取得の勉強会にも積極的に参加していない状況だったので、いくら先輩が付いてきてくれるとはいえ、自分自身、ゼミの議論を深めることができないと思っていました。
 しかし、先生の発破の掛け方が上手いのもあり、準備段階から参加ゼミ生一同やる気になり、資料作成や深い議論を展開することができ、自信をもって合同ゼミに臨みました。
 合同ゼミ当日、村田ゼミ主導のもと始まり、前半こそ私たちゼミ生が2年生中心ということもあり、分からないところを積極的に質問していくことができ、議論を展開していくことができました。分からない問題点を聞く立場ではありながら、質問の仕方等でつたない部分もありましたが、少なからず手応えを掴むことができ、自信を持つことができました。
 そうして意欲的に今回の合同ゼミに参加できて手応えまで掴めた反面、九大のゼミ生のレベルの高さに只ただ圧倒されたのも事実で、それがまたとても大きな刺激になりした。
 私たち村田ゼミは問題点の整理に時間を多く割き、実務で問題になるところを数点議論しただけでしたが、約4時間の合同ゼミの後半は九大生と私たちの先輩、先生方が様々な観点から議論をしていき、正直置き去りにされた感じがありました。もちろん分からないところは聞ければ良かったのですが、議論の展開の仕方や、順序だてて論理的に話す九大のゼミ生の姿に、1つや2つしか年齢が変わらないのにこの知識量の差や問題を解釈するスピードであったりと、歴然とした差を見せ付けられたのが何よりも刺激になりました。
 それで私自身、目指す道がほぼ固まったような気がして、最後はレベルの高い議論を聞くだけでしたが、楽しく聞くことができました。
 合同ゼミ後は懇親会もしましたが、九大生の考え方や意識の高さ、なにより学んでることが楽しいという姿が話していて伝わってきて、自分自身の意識を変えないといけないことに気が付くことができ、現在すでに大学生活が始まっていますが、意欲的にゼミの勉強や大学の講義、資格取得の勉強にも取り組むことができています。
 今回の合同ゼミでは二泊三日の内に福岡地方裁判所や九州大学内見学等もしてどれも自身の刺激になり、自身のためになる、とても実りある経験をすることができた合同ゼミでした。

 

■ 稲垣 圭祐(2年生)

 今回の合同ゼミは本当によい経験だったと感じています。九州大学は3、4年生主体でこちらは2年生主体だったために知識の差が格段とあったため、わからないところがたくさんあったなか、こちらがわからないところを指摘すれば答えてくれるなど本当に良い人たちでした。今回の合同ゼミで自分自身の勉強不足も実感することができました。この合同ゼミをきっかけに自分自身のスキルアップにつなげていきたいです。
 合同ゼミ後の懇親会では、九州大学の方だけでなく裁判所職員や、弁護士の方も出席され話を聞くことができたためとてもためになりました。
 また、合同ゼミ以外の部分では、3月まで産経大に在職された井上弘樹先生とお話をする機会や、いろいろな店に食事しに行くことなどとても充実した3日間を過ごすことができました。

 

■ 稲桝 恵一(2年生)

1.福岡地方裁判所
 時間がなく、法定内を見ることができないのは残念でしたが、福岡地方裁判所は内部の表示が非常に見やすくなっていてバリアフリーの構造になっているのが見てとれました。
2.九州大学・合同ゼミ
 九州大学の図書館を見学させていただきましたが、法学図書の蔵書数が多く様々な視点から研究や学習が可能で、自習室や会議スペースといった学習環境も整えられていました。
 昨年度は明治学院大学の今尾真ゼミを行わせていただきましたが、1年生だったので見学のみの合同ゼミ参加となりました。しかし、今回は実際の議論に参加でき、多くを学ばせていただきました。
 議論の最中には民事訴訟法の学習が足りないところもあり、相手方の先輩方に教えていただくときもありましたが、テーマとした判例を通して、裁判手続きのどういった点が問題となっているのかこれからの民事裁判の改題は何なのか、これからの民事訴訟法の学習に活かしていきたいです。
 懇親会では九州大学の先輩方から法学の捉え方や学習方法等アドバイスもいただきました。また弁護士の方や、裁判所事務官・書記官の方にもお話を聞くことができ、試験の対策方法や大学生活のあり方などご教授いただきました。
3.その他
 福岡といった経済的中心地にある都市では宮崎と比べ「競争力の高い店」が望まれ、あらゆる文化が常に出入りしているのが見て取れました。

 

■ 塩崎 崇嗣(2年生)

1.福岡地方裁判所
 法廷の傍聴は出来ませんでしたが、中は非常に整っていて綺麗な内装でした。また、裁判所が国有物であることから写真に納められず、記念撮影は苦労しましたが、それもまた良い思い出になりました。夜に裁判所の前を通った時も部屋の電気がついており、裁判所職員の方の忙しさが伺えました。
2.九州大学・合同ゼミ
 九大の敷地は大変広く、その中に法科大学院が設置されているので、大学生全体に高い意識が浸透しているように思いました。中央図書館は地下まで書物が並んでおり、充実していたので良かったです。また、憲法の判例百選に出ている事件も聴き、周るだけでも楽しめました。
 合同ゼミの九大の皆さんは科大学院を目指しておられたので、訴訟法上の問題に対しても堂々と持論を述べられており、議論を楽しんでいるように映りました。自分の足りない部分を九大の先輩方を見て学んだので、これからに活かしていけたらと思います。
3.その他
 井上先生とは、法律の考え方のお話などをしていただいて、今もそれが活きていることを実感できたので、大変感謝しております。
 懇親会では、弁護士や裁判所の方などが来られた時は、皆さんが人生目標が高いところにあり、なおかつ自分に自信を持って生きていらっしゃると感じました。それだけの努力をしてきたということが伺えたので、その姿勢を見習っていきたいです。

 

■平尾 拓也(2年生)

 今回はいつもゼミで検討しているように、事例を踏まえて、実体法と手続法と分けて事例を見ていきました。そのうち、実体法については遺言、通謀虚偽表示について、手続法については弁論主義、釈明権、法的観点指摘義務など理解していなければなりませんでした。私が理解できているという基準は、何も見ないで人に要点を説明できることです。もし今回ゼミで説明しろと言われて説明できるとは思えませんでした。特に手続法でいうと釈明権がどのように働き、どう解釈されているかや法的観点指摘義務については理解できていませんでした。私は先輩方や九州大学の方々の説明を聞いていて話について行くのがやっと、途中から話についていくことすらできていませんでした。反論や意見が言えないことは理解していないとできないから、質問すらもどのように行ってよいか分かりませんでした。
 懇親会では、九州大学の人たちとも話す機会があり、学ぶことを楽しんでいるという印象を持ちました。学ぶことを楽しむというのは、先生とも誰とも、笑いながら楽しく学ぶということです。私自身、「それをよく知る人は好む人に及ばず、好む人は楽しむ人に及ばない」という言葉がある通り学問を楽しめる人に私もなりたいと思っていました。楽しむことができるようになるには、当然のごとくその学問についてある程度理解できていなければなりません。先生が昔仰っていたことで、人は学び続けていればある一定のところでのび始めるというのがありました。そこにたどり着けば楽しむこともでき始めるのだと私は思っています。学ぶことを楽しむことができないのは、勉強不足に主たる原因があります。最初のうちは誰でも難しく、途中から分かるようになり楽しくなっていく流れは当然のことであるから、時間の許す限り少しずつでも理解していくことが重要です。したがって、続けること、つまりとにかくやる時間をつくることが重要であるから、毎日少しでも法学について学ぶ習慣をつけようと思います。
 裁判所書記官、弁護士などの方からお話をお伺いする機会もありました。その中で、私は大学で学んでいる法学を用いることができるので、裁判所事務官、書記官の仕事も魅力を感じることができました。これから、進路については出来るだけ早く方針を決めたいと思いました。

 

■二木 希穂(2年生)

 九州大学の敷地内の広さや建物の大きさ、数に驚かされました。中でも図書館は、各学部専用に図書館が設けられていて、蔵書は数もさることながら、何時のものか分らないほど年季の入ったものもあったのには驚きました。
 合同ゼミは、しっかりと議論に参加できるのかという不安を抱きながら参加したのですが、私たち2年生の素朴な疑問に対してもしっかり丁寧に説明してくださり、普段自分たちだけでは勉強していても思いつかないような答えを返ってきて、一つの問題でも様々な視点から見て答えを導き出せるように柔軟な発想を忘れないことが大事なのだということを身に染みて感じました。
 ゼミの終盤は知識が足りず中々発言できませんでしたが、九州大学の先輩方は知識の足りない私たちが聞いてもわかるような説明をして頂きとても有意義な時間を過ごすことができました。
 その後、懇親会では、裁判所事務官の方とお話しする機会がありましたが、事件を扱う上で当事者の方々に感情移入してしまうようなこのとはないのかと質問したところ、「もし感情移入するようなことがあれば裁判の公平さが失われることになることがあるかもしれない。だから、私たちは誰の不利にならないように裁判上の手続きを公平にしっかりサポートする。」と答えていただき、どの分野の法律でも「公平」さは大事だといわれていますが、手続き法においてもいかに「公平」さが大事であるか改めて理解することができました。
 今回の体験を通じて、どのような形であれ法律に携わる仕事がしたいと改めて思いました。また、九州大学の方々と行ったような活発な議論ができるようゼミ生みんなでもっと知識をつけて、楽しく学ぶ環境を自分たちで作っていきたいなと思いました。

 

■ 高村 宗汰(3年生)

 今回の合同ゼミナールでは、判例を題材にして、実体法である民法、手続法である民事訴訟法の両方の観点からの討論ができ、自身の勉強を見直すいい機会になり、非常に有意義なものとなりました。
 少数精鋭での討論会となり、少々緊張することもありましたが、お互いに意見を交換しあったり、議論をぶつけ合ったりして、短い時間ながら楽しく討論ができました。
 その後場所を移しての懇親会でも、お互いの将来の話であったり、各々がしている勉強の仕方などを話し合い、ゼミナールの討論だけでない、これからの課題を見つけるうえでもいい機会であったと思います。
 九大生は、自分が予想していた考え方や結論とは全く違う考え方や見方で事例を捉えて結論を出していて、その意見を伺うたびに感心させられることが多く、自分の見分を広げたり、新しい考え方を学べたりと改めて勉強している感覚でゼミナールに望むことができました。それと共に、短い時間で更に議論しようと思っていても、相手から出される質問や議論に対して、自分の意見を述べることができなかったり、返答に窮してしまったりして、議論が発展しなかったことについては、自分の勉強不足と共に、力不足を痛感することになりました。
 本合同ゼミナールの実現に際して、快く承諾してくださった鶴田滋先生を始め、法科大学院の試験準備等で忙しい時期であるにもかかわらず合同ゼミナールに参加してくださった鶴田ゼミの皆様にも篤くお礼申し上げる所存です。
 その後の懇親会でも、ユニークな勉強法や、法科大学院に向けた勉強に関しての悩み等、目標を持った学生としての話、同席していた裁判所事務官や書記官の方とは、現在の仕事の事情や、普段聞けない内側のお話を聞くことができました。
 今回のゼミナールや懇親会を通して学んだことに、「目標を持ってそれに向かって行動すること、共にがんばれる仲間がいるのは大切なこと」ということを改めて認識できた気がします。自分の目標に向けて、残された大学生活はあとわずかではありますが、この度の経験を生かして、今後の勉強に望んでいけたらと思います。

 

4.総括

 「日頃の教室を飛び出して、武者修行の腕試しと教室では経験できない体験をしよう!」がコンセプトでした。
 3年生は昨年明治学院大学との合同ゼミを行ったので、東京に行くことも検討しましたが、費用面等の理由から、福岡に行くことが7月中旬に決まり、そこから準備することとなりました。夏休み中なので、ゼミ員の内で希望者参加となりましたが、最も参加を望んでいた3年生の1人が病院に入院し、急遽いけなくなったのは残念でした。
 「負ける戦はしない」。ゼミについては、夏休み中に2・3年生で役割分担・協力して、何回かゼミを重ね、事前準備をして、自信をもって臨めるように配慮したつもりです。それでも、参加者には不安があったようですね。
 九大ではゼミが週2つの曜日に割り振られており、3年生は選択科目、4年生は必修科目と2つのゼミをとることができ、鍛えられています。しかも、産経大は2年生を中心とした構成であるのに対し、九大は4年生を中心とした構成で、知識や基礎学力に差があるのは当然です。
 それにもかかわらず、産経大の学生は、2年生は分からないことは質問し、3年生は自分の考えをぶつけていました。あっという間の4時間で物事は一面だけでなく多面的に見ることができ、ある問題も深く掘り下げることができ、そうすると、他の問題と根っ子のところで結びついて、複雑な課題となっていることを受け止めることができたことでしょう。そして、その点を対話・対論を通じて、明らかにして、考えていくという面白さを感じてくれたと思います。
 懇親会では、未成年者中心でお酒は飲めませんでしたが、美味しい食事に舌鼓を打ち、学生間では自分たちの立場から有意義な意見交換ができたようですね。そればかりでなく、忙しい中、時間を割いてもらい、法律に携わっている実務家にも参加して貰い、日頃、机の上、書物の中で学んでいる法律について、生きた話が聴け、また、自分の将来についても考える貴重な時間を得られたものと思います。
 ただ、良いことばかりではなかったですね。自分たちの手で本当に作り上げたスケジュールでなかった為、予定通り行動できず、体験できないことがあったり、忘れ物をしたり・・・。ハプニングが起きた時に、どう対処するかも学びことができました。
 日頃、自分たちの住み慣れた町以外にも、いろいろな顔・文化を持ったところがあり、いろいろな楽しみ方ができる、感性で感じ、しっかりと受け止め、学んでくれたようで、夏休みの終わりの一時、貴重な体験ができ、そこから学んだことをこれからの学生生活や社会生活でも活かして行って貰いたいものです。
 最期となりましたが、このような得難い機会を設けて頂いた九州大学の鶴田滋先生並びにゼミの皆様、実務家の方々には、大いに感謝していることを加えさせて頂きたいと思います。

宮崎産業経営大学 法学部 准教授(民事手続法) 村田 治彦
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