経営学部 岡夏樹教授が責任著者である論文「主観情報入力型BERT による発話の意味理解:自己注意の連鎖に注目した内部表現の分析」,認知科学, Vol.31, No.1, pp. 205-224 (2024)が奨励論文賞を受賞しました.

日本認知科学会では,前年度発表された『認知科学』の掲載論文のうち,研究論文・展望論文・短報論文・資料論文を対象として,厳正な審査に基づいて学会賞を授与しています.分野を考慮して選出された審査委員に斬新性/革新性・完成性・異分野対話性の三つの観点に基づく評価を依頼し,一次選考,二次選考,さらに最終選考委員会での議論を経て受賞論文を決定しています.学会賞には,論文賞(Best Paper Award),奨励論文賞(Incentive Paper Award),特別賞(Special Paper Award)があります.
受賞論文は経営学部 岡夏樹教授と京都工芸繊維大学,金沢大学,名古屋外国語大学との共同研究の成果をまとめたもので,論文掲載当時の研究インタビュー記事はここにあります.受賞理由は以下の通りです.
授賞理由:本論文は,言語モデルのBERT を用いて終助詞「よ」「ね」の習得プロセスの構成論的モデル化を試み,それに成功している.現象とデータは限定的であるものの,手法と対象と組み合わせが斬新である点,構築されたモデルが簡潔である点,分析が丁寧である点,新規なアプローチを開拓し,かつ言語モデルの「自己注意の連鎖」という説明概念を新しく提唱している点が特に高く評価できる.よって,ここに日本認知科学会奨励論文賞を授与する.
本研究は生成AIの動作メカニズムの分析を通して,人の言語習得プロセスの解明を目指したものですが,経営学部ではエコノデータサイエンス学科の新設(2026年度)に向けて,AI・データサイエンス関連科目の充実を図っており,AI技術の急速な進展の原動力である深層学習,生成AIについては,演習形式やプロジェクト形式で学ぶ科目「実践人工知能」「データサイエンス演習」「機械学習」等を提供し,AIを使いこなし,さらには,新しい社会を切り拓くことができる人材の輩出を目指しています.また,生成AIを活用した課題解決をチームで体験できる「みんなの生成AIワークショップ」を定期開催しています.学内外どなたでも無料で参加いただけます.問い合わせはこちらで受け付けています.