テーマ | アパートで自殺した人がいたら、その家族に損害賠償請求できるでしょうか? | 講師 有嶋 咲 |
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内 容 |
Aさんは、高校を卒業し、晴れて社会人、そして一人暮らしを始めました。Aさんのお母さんは、子どもの頑張る姿を誇らしく思っていました。ところが、ある日、Aさんの暮らすアパートの大家さんから、「Aさんがアパートで自殺した。この件で書類を送っているので至急確認してほしい。」と着信が―。届いた書類を見ると、そこには、「家賃2年分、その他、部屋の清掃として300万円の損害賠償を請求する」と書いてあります。Aさんのお母さんは、大家さんの言う通り損害賠償金を払わなければならないでしょうか。その答えは、払わなければならない可能性が高いです。実際に裁判では、このような事件に対して、支払わなければならないとしています。 この授業では、Aさんの家族は、どのような責任があるのかを解説します。 |
テーマ | 代理出産した場合、卵子提供者と出産者のどちらが母でしょうか? | 講師 有嶋 咲 |
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内 容 |
妻の代わりに赤ちゃんを産んだ女性(代理母)が、「赤ちゃんを引渡したくない、私が母親だ」と言ったら、卵子を提供した妻と代理母のどちらがお母さんでしょうか。 近年、晩婚化に伴い、自然妊娠が難しく、生殖補助医療が広く用いられるようになりました。日本産科婦人科学会.倫理委員会登録・調査小委員会データブックによると、2018年に出生した約16人に1人は、生殖補助により誕生した子どもという結果が出ています。生殖補助医療は、精子を注入器で人工的に女性の体内に注入する人工授精と、体外に取り出した卵子と精子を培養液の中で受精・分割させ、その胚(受精卵)を子宮内に移植する体外受精の二種類がありますが、実は生殖補助医療について、我が国では何ら法的規制がありません。そのため、昨今、生殖補助医療の中でも特に問題とされたのが、夫以外の精子によって生まれた子や、夫婦の受精卵を妻以外の女性の子宮に移植して出産する代理懐胎によって生まれた子、夫の死亡後に、当該男性の冷凍精子を用いて出産した子などの法的親子関係についてです。本授業では、生殖補助医療の限界と、それによって生まれた子の法的親子関係について、現状とこれからの課題についてお話します。 |
テーマ | 養子は、養親の財産だけでなく、実親の財産も相続できる! | 講師 有嶋 咲 |
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内 容 |
自分は養子と知らされたら、複雑な気持ちになりますか。もしも、そうだとしたら、複雑な気持ちになる必要はありません。むしろラッキーかもしれません。 養子縁組とは、養親と養子との間に法律上の親子関係を発生させる手続きです。血のつながりがなくても、法的認められた家族の一員となります。そのため、実親の他にも、養親という新たな親ができるため、親たちが財産を残して死んでしまったら、どちらの親の財産も相続することができます。家族は血縁だけではない―。 この授業では、いろいろな家族のカタチについてお話します。 |
テーマ | 生命の尊厳と安楽死(日本で安楽死はできない?) | 講師 今枝 昌浩 |
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内 容 |
「安楽死」または「尊厳死」という言葉について、皆さんはこれまで社会科の授業や資料集で、あるいはニュースで、触れる機会があったのではないでしょうか。中には報道番組などで、自らの安楽死を実現するためにわざわざ海外に行ったエピソードを知っている人もいるかもしれません。 このように社会問題(課題)として取り上げられる「安楽死」には、しばしば《危険》とか《日本ではできない》といったイメージが付きまといます。それでは「できない」と思われるのはなぜでしょうか。法律で禁止されているからでしょうか。 この授業では、この問いに対して法的な観点からアプローチします。「法的に考える」とはどういうことなのか、体験してみてください。 |
テーマ | そのお金の使い方、犯罪です?!:日常生活と財産にまつわる犯罪 | 講師 上野 純也 |
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内 容 | 刑法には、お金にまつわる様々な犯罪が規定されています。その中には、実は日常生活の中で成立してしまうかもしれないような犯罪もあります。皆さんは、そのような行為について正しい知識を持っていますか?そのような行為は全くやったことがない、と胸を張って言えますか?身近な生活シーンから、犯罪について学んでみましょう。 |
テーマ | バイトテロ?!替玉受験?!カンニング?!:学生生活にまつわる犯罪 | 講師 上野 純也 |
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内 容 | SNSを中心に、バイト中に面白がってお店の信用を損なう行為をしてしまう、いわゆる「バイトテロ」のニュースを皆さんも聞いたことがあるかもしれません。このようなバイトテロを含めて、高校生や大学生の生活の中にも、実は犯罪が成立する可能性のある行為は沢山あります。皆さんに身近な学生生活に焦点を当てて、様々な犯罪について、学んでみましょう。 |
テーマ | オンラインカジノってなんでダメ? | 講師 上野 純也 |
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内 容 | 最近、「オンラインカジノ」に関するニュースを耳にしたことはありませんか?一部の自治体では国営のカジノについても議論されているにも関わらず、オンラインカジノに参加することが何故犯罪になり、どのような問題があるのでしょうか?刑法の条文やその考え方を学びながら、ニュースで聞いたことがある社会問題について、一緒に考えてみましょう。 |
テーマ | 「闇バイト」は誰のせい? | 講師 上野 純也 |
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内 容 | 近ごろ社会問題となっている「闇バイト」。中学生や高校生が関わった事件も度々発生していますが、その実態は「犯罪への関与」に他なりません。「闇バイト」がどのような手口で募集され、どのようなことをさせられるのか、そして、それをしてしまった場合に、どのような犯罪が成立するのか……。刑法の考え方を学びながら、犯罪としての「闇バイト」の何が問題なのかを一緒に考えてみましょう。 |
テーマ | 知っておきたい「いじめ」の原因と責任:刑法・少年法と大人・子供の責任 | 講師 上野 純也 |
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内 容 | 街を歩いていて、「いじめは犯罪!絶対にゆるさない!」と書かれたポスターを見たことはありませんか?この標語のとおり、いじめ行為は場合によっては犯罪になることがあります。学校で教わる道徳や生徒指導だけでなく、犯罪に関する刑法や少年の犯罪・非行に関する少年法の観点から、「いじめ」が何故発生するのか、その責任を誰が、どのように取るべきなのかを考えてみましょう。 |
テーマ | 自分の「好き」と他人の「迷惑」:ストーカー対策と個人の自由 | 講師 上野 純也 |
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内 容 | 私たちの社会では、様々な自由が認められています。そして、現代社会では恋愛も重要な個人の自由の1つと言えるでしょう。しかし、いくら好きだからといっても、一方的で身勝手に自分の「好き」の感情を押し付けると、相手にとっては「迷惑」となりますし、場合によっては犯罪になることもあります。ストーカー規制法の考え方や実際の事例を参考にして、自分の自由と相手の迷惑をどのように考えるべきか、学んでみましょう。 |
テーマ | そのトイレ、使ってもいいですか?―LGBT 理解増進法と行政の権限 | 講師 斉藤 拓実 |
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内 容 | 2023 年 6 月 16 日、「LGBT 理解増進法」が成立しました。この法律は、性的指向や性自認の多様性を受け入れる精神を涵養し、不当な差別を防止することを目的としています。本講座では、「トイレ」という身近な題材を通して、性の多様性と行政の役割について考えながら、行政法の基本的な考え方にも触れていきます。 |
テーマ | SNS に投稿する自由と責任―誰が、どこまで関われるのか/関わるべきか | 講師 斉藤 拓実 |
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内 容 | Z 世代と呼ばれる高校生のみなさんにとって、SNS は当たり前の存在でしょう。しかし、その投稿が思わぬトラブルに発展することもあります。その責任は誰が負うべきでしょうか。投稿した本人だけでしょうか。それとも、投稿を掲載したプラットフォーム事業者でしょうか。あるいは、みなさんの所属する高校や行政も関わるべきでしょうか。この講座では、SNS の利用をめぐって多様なアクターがどのような役割や責任をもっているのかを、主に行政法の視点から一緒に考えていきます。 |
テーマ | 「推し」が社会を変えていく | 講師 田中 保通 |
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内 容 | アイドルに対する楽しみ方は、内的な「萌え」から、体験型・共有型の外的な「推し」へと変化しており、消費、恋愛、就職などに対する意識に大きな影響を及ぼしています。人はなぜ「推し活」をするのか、社会にどんな影響を与えているのかを、一緒に考えていきます。 |
テーマ | 「ロマンチック・ラブ」は当たり前? | 講師 田中 保通 |
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内 容 | 誰かに恋をして、その相手と愛し合い、結婚するという恋愛結婚「ロマンチック・ラブ」が当たり前と思っていませんか?実は、それは、比較的最近のことなんです。「家族」の姿の変化を、最近の同性婚を巡る動きなども含めて見ていきます。 |
テーマ | SNSとフェイクニュース | 講師 千知岩 正継 |
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内 容 |
近年、SNS(XやFacebook、YouTubeなど)で広まるフェイクニュースが日本国内外の政治に重大な影響を与えているようにみえます。関連して、特定の政治的目的のために意図的に拡散される悪意ある情報や偽情報が選挙期間中の民意を歪める危険性も指摘されています。 本授業では、政治学の立場から、SNS時代における政治とフェイクニュースの関係を説明するとともに、フェイクニュースへの社会的・個人的な対応策を紹介します。 |
テーマ | ウクライナ問題と世界情勢 | 講師 千知岩 正継 |
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内 容 |
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻によって、国際秩序はどのように変わりつつあるのでしょうか。世界は、かつての冷戦のように大国間対立で分断される時代に入ったのでしょうか。ロシア・ウクライナ戦争は、中国と台湾の両岸関係にどのような影響を与えるのでしょうか。核戦争や核拡散の危険性は高まっているのでしょうか。 本授業では、国際関係論の立場から以上の問いに答えることで、ポスト・ウクライナ戦争の国際政治を考察します。 |
テーマ | カスハラと法規制 | 講師 宮田 浩史 |
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内 容 | 「お客様は神様です!」こんな言葉を、商売の基本だということで昔はよく聞きました。でも、今では、お客さんによるハラスメントが問題になっています。どう考えるのがいいのでしょうか?まずは、法的な限界がどこにあるのか、知ってみたいと思いませんか?私たちはお客さんにも、お店の人にもなりえます。一緒に考えてみましょう。 |
テーマ | AIと法 | 講師 宮田 浩史 |
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内 容 | 生成AIの登場によって、私たちの社会は大きく変わってきています。AIは、私たちを素晴らしい未来に導いてくれる魔法のようなものでしょうか?それとも、害悪をもたらすものなのでしょうか?AIをめぐる法的問題を、そのときどきの新しいトピックをとりあげて一緒に考えてみましょう! |