宮崎産業経営大学



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アグロポリスオランダ研究視察(宮崎県産業振興機構からいただいている農商工応援ファンド事業としての最終派遣)を実施しました

 宮崎産経大では3月20日から4月1日までの13日間、オランダ国立ワーゲニンゲン大学へ研究視察を実施しました。産経大から教員5名(奥村教授(団長:学長代理)、田中准教授、出山准教授、墨准教授、高橋講師)、学生2名(経営学部新2年生の香川奈那子さんと竹本佳代さん)、そして外部からは、アグロポリス構想評価委員会のアドバイザーを務めて頂いておりますJA宮崎中央会の三田井研一専務理事に年度末のご多忙にも拘わらずフル日程でのご参加を賜ることができ、総勢8名でのオランダ派遣となりました。

 今回、平成27年11月にワーゲニンゲン大学との間で研究提携したアグロポリスプロジェクトの一環として、オランダの農業経営を参考に、宮崎農業の新しい経営モデルを創造する「ベストブレンド農業経営モデル」策定のために、ワーゲニンゲン大学が保有する農業経営に関する研究実績についてレクチャーを頂き、オランダの農業の強さの源泉と宮崎農業への活用手法について学んできました。オランダ農業の過去、現在と、未来への展望、オランダ農業の強さ、政府の政策支援(農地再区画・直接所得補償制度等)、農家単位での取り組みなど様々な分野の様々なレベルの観点からオランダ農産業と農業経営について学ぶことができました。また、産経大教員からは我々の考えるベストブレンド農業経営モデルのあるべき姿についてプレゼンテーションを行い、ワーゲニンゲン大学からはその方向性に対するサジェスチョン等を頂くことができました。さらには、JA宮崎中央会の三田井専務理事からも日本農業政策の経緯、ウルグアイ・ラウンドに対する日本のスタンス及び日本農業の方向性等についてのご説明、見解等を賜ることができました。加えて、宮崎農業の現状や将来に関連して、JA宮崎グループの先進的な取組やあるべき宮崎農業の方向性など、直接お伺いできるという大変貴重な機会となりました。このことは、農業分野で世界の最先端を行くワーゲニンゲン大学の講師陣にも、日本や宮崎農業の状況を正しく把握する上で貴重な機会となったことは申し上げるまでもありません。

 特に農業・農業者の在り方を考える上で、実際のオランダ生産者を訪問し、現場レベルでの農業経営に実際について活発に議論できたことは有意義でした。より深く質疑応答することで、オランダの農家が何を考え、将来どのように自分たちのビジネスを発展させていきたいのかについて目の当たりにすることができました。大規模農家から比較的小さい農家、都市型農業等の新しい農業のスタイルを模索する農家等様々な農家の方がそれぞれのスタイルの中で明確なヴィジョンを持ちながら能動的に活動されていることは、今回訪問したすべての農業経営者に共通していることでした。

 さらに将来の農業の在り方をビジョン的に把握する上で、ワーゲニンゲン大学で先端研究されている農業とICT(Information and Communication Technology: 情報通信技術)の関係性についても深く学ぶことができたことは収穫でした。ワーゲニンゲン大学では農業生産から集出荷までの一連の工程をAIやセンサリング、そしてオートメーション化によってこれまで人力に頼る部分の多かった「経験」をデータマイニングし、農業の自働化について最先端の研究施設を訪問しました。いわゆる「ロボティクス」という研究ですが、我々が考える未来の農業のその先を実現するための研究が実践されていました。また、ビッグ・データを活用するプラットフォームに関する最新の取り組みについてのレクチャーは、サプライチェーンやバリューチェーンを含めデジタル変革のインパクトについて認識を新たにすることができ、中長期的な農業や新しいビジネスモデルの在り方を考える上で非常に参考になるものでした。

 訪問期間中はワーゲニンゲン大学農業経済経営研究所の研究主幹であり、宮崎産経大の客員教授を兼務するJos Verstegen博士やWagenigen AcademyのスタッフであるLiesbeth Vallingaさんには、ホスピタリティあふれるご対応を頂き、渡航した8名全員が滞在期間を通じて、快適にそして活発に活動することができました。

 今回の訪問によって得た農業経営に関する理論と実践の学びを余すことなく「ベストブレンド農業経営モデル」の完成へとつなげるべく、今後も策定作業部会メンバーが一丸となって邁進してまいります。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

 末筆ではございますが、今回の訪問に際して、多大なご支援を頂きました宮崎産経大と、改めて年度末でありながら、ご同行をご快諾頂きました三田井専務理事とJA宮崎グループ様、そして、渡航期間中バックアップ頂きました産経大の教職員の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 

訪問の様子(写真)
1) オランダ王国農務参事官クライエンブリンク博士によるオープニングスピーチ後の集合写真

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後列左から)出山准教授、墨准教授、田中准教授、奥村教授、クライエンブリンク農務参事官、三田井専務理事、バーステゲン博士、バリンガ・プログラム担当
前列左から)高橋講師、香川さん、竹本さん

 

2) 大規模施設園芸農家の視察(パプリカ:20ha、トマト:20ha、スナックトマト:10ha): 生産性では劣る黄色のパプリカを蓄積してきた技術力で高品質化・高付加価値化し高収益を誇る多機能ハウス農家(ガス発電を近隣のマイクロソフトへ売電、地熱でハウスへ熱供給及びハウス観光で収益確保、本業を上回ることも)

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3) 大規模種芋生産農家の視察(200haの規模、大半を輸出): 大規模農業投資には10年スパンの長期ビジョンは不可欠と語る3代目(緑色の作業着の方)

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4) 都市型循環農業の視察: コーヒーかすを堆肥活用したマッシュルーム栽培

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5) 特別プログラム終了証授与式(参加者8名全員が修了証書を授与)

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JA宮崎中央会専務理事 三田井研一さん
 
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経営学部新2年生 香川奈那子さん
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経営学部新2年生 竹本佳代さん

学びについて

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