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経営学部合同ゼミナール(宮永,武次,出山,大内,墨,日髙,柚原)による「株式会社宮崎太陽キャピタル」研究視察報告!

 去る平成30年2月5日(月),本学経営学部の会計・金融・経済系ゼミナール(以下,ゼミ)を中心とした宮永雅行ゼミ(投資教育,経済教育,FP教育),武次玄三ゼミ(演劇論・演劇学,職業教育),出山実ゼミ(財務会計論,情報会計論),大内健太郎ゼミ(会計学,医療・福祉会計論,医療・福祉経営論),墨昌芳ゼミ(観光政策論,観光経済学,応用計量経済学),日髙光宣ゼミ(広告論,マーケティング・コミュニケーション論,流通論),柚原知明ゼミ(経営組織論,経営戦略論)は,「株式会社宮崎太陽キャピタル」(以下,「宮崎太陽キャピタル」)様に対して総参加人数45名規模の合同ゼミによる研究視察を行ってきました。

 本研究視察は,宮崎県を代表する直接金融機関であるベンチャーキャピタルとしてベンチャー企業への投資,経営コンサルティング,各種産官学の連携事業等を行っている「宮崎太陽キャピタル」様の事業内容に関する経営実態と投資スキームの学習を目的として実施いたしました。

 「宮崎太陽キャピタル」様におかれましては,大変お忙しい中私たちの研究視察のお受け入れ準備とご対応をいただきました。代表取締役社長の上野哲弘様をはじめとするご対応いただいた社員の皆様に篤く御礼申し上げる次第でございます。

 本研究視察に関しては,下記の通り1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々,2.写真集,3.参加したゼミ学生の感想,4.宮永雅行教授の研究視察総括,についてご報告いたします。

 

1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々

 ◯研究視察日時: 平成30年2月5日(月)14:00~15:30
 ◯訪問先(所在地住所):「宮崎太陽キャピタル」様 (宮崎県宮崎市広島2丁目1番31号 宮崎太陽銀行様内)
 ◯ご対応いただいた方々:
   代表取締役社長 上野哲弘様
   業務部ベンチャー投資グループ Manager 津野省吾様
   業務部ベンチャー投資グループ Assistant Manager 金丸直史様

 

2.写真集

写真1. 研究視察の冒頭,私たちの訪問に対する歓迎のご挨拶をいただいた代表取締役社長の上野哲弘様です。
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写真2. 金丸直史様による講演の様子です。ベンチャーキャピタルの仕事について大変楽しく分かりやすくご説明をいただきました。
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写真3.学生からの質問にお答えいただいている津野省吾様です。
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写真4. ベンチャーキャピタルが引き受ける種類株式の活用に関する質問をする柚原知明教授です。
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写真5. 最後にゼミ学生全員を代表して,新竹雄大くん(経営学部2年生,出山実ゼミ)が今回の研究視察のお受け入れと講演に関する御礼を述べました。大変立派な御礼の挨拶でした。
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3. 参加したゼミ学生の感想

福元今日花さん(経営学部2年生 宮永雅行ゼミ)
 宮崎太陽キャピタルの方の話を聞いて,具体的なベンチャーキャピタル業務を知ることができ,普段なかなか聞くことのできない話を多く聞けたため,有意義な研究視察となりました。これまでの授業で「ベンチャーキャピタルとは」ということや,その仕組みなど大まかな内容を理解している程度でしたが,実際には銀行系や信用金庫系などといろいろあり,それぞれ法律が異なるため契約書も異なったものになるということや取引先,取引内容も異なってくるなど詳しくわかりました。また,「ベンチャーキャピタルは支援する企業への資金提供額が大きいため大きく利益を得られえるときもあればその逆もある」という言葉はとても印象深く残り,私たちが想像しているよりも多くのリスクと人と人とのつながりや信頼関係が大切なものになるのだと感じました。

賀来陽平くん(経営学部3年生 武次玄三ゼミ)
 2月5日に宮崎太陽銀行様の本店にて「宮崎太陽キャピタル」様のお話を伺わせていただきました。私が講演の中でも最も関心を持ったのは、ファンドが投資する企業のことでした。説明では投資の成功例や、失敗例などの話しもあって、これから上場していくであろう企業の見極めがとても重要であり、困難だということを知りました。いまの日本や世界が必要としていることを予測して、投資する企業を見極めることが大切だと思いました。

黒木優花さん(経営学部2年生 出山実ゼミ)
 今回,宮崎太陽キャピタル様を訪問させていただき,ベンチャーキャピタルについてお話を伺いました。融資と投資の違い,ファンドの仕組み,みやざき未来応援ファンドの投資実績,成功例や失敗例など,担当の方の具体的な経験談なども聞くことができ,とても有意義な時間となりました。特に,失敗例から競合分析の重要性を改めて感じたというお話は深く印象に残っています。投資先の一部を購入(株式所有)するということは,投資家にとってはリスクが高く,失敗することもあるそうですが,ベンチャー企業・成長企業にとっては,良質かつ安全な資金調達の手段であり,起業家や創業の促進・育成・支援には効果的なのだと学ぶことができました。

蛯原隆成くん(経営学部2年生 大内健太郎ゼミ)
 今回の視察で宮崎太陽キャピタル様にベンチャーキャピタルの説明や様々な金融に関する違いについて教えていただき,最後に投資での成功例と失敗例を挙げていただきました。感想としてベンチャーキャピタルはコミュニケーションから成り立っているということです。その企画が面白く将来性があると思って投資する場合もあると思いますが,それ以上にそれをやろうとしている人に惹かれて,投資をするのではないかと感じました。今後,将来のためにコミュニケーションを磨くことを一層心がけようと思いました。とてもためになる研究視察に参加させていただき,深く感謝しております。

比嘉重斗くん(経営学部2年生 墨昌芳ゼミ)
 今回訪問した宮崎太陽キャピタル様のお話では,ベンチャーキャピタルの仕組み,融資と投資の定義や違い,私も知っている身近な企業への投資などを具体的に知ることができました。リスクを取って投資をしている限り,投資先が成長して新規株式上場などを行えば利益が大きい一方,投資先が上手くいかない場合,投資した金額が1円になってしまった失敗事例もあることも学べました。最後はその人を見て投資をするという言葉が印象に残っています。今回の研究視察は,大変貴重な経験になりました。

川畑雄士朗くん(経営学部3年生 日髙光宣ゼミ)
 今回,宮崎太陽キャピタル様から,ベンチャーキャピタルの仕組みや行動原理に関するお話しを賜りました。お話を通じ,ベンチャーキャピタルとは,単に投資先企業の資金運用だけでなく,企業への経営参画,経営指導まで踏み込み,企業の商品や企業自身の付加価値を向上させるという,いわば「新規事業育成サービス業」であることを学ぶことができました。特に印象に残った点は,投資先企業の倒産の原因からの学びでした。ビジネスにおいては,消費者ニーズを含む多様な環境分析を正確に読み解くことの重要性を実感することができました。

野田一馬くん(経営学部2年生 柚原知明ゼミ)
 今回の研究視察では,宮崎太陽キャピタル様を訪問させていただいて,様々なことを学ぶことができました。銀行(融資)とベンチャーキャピタル(投資)の違い,それぞれの業務内容の違いなど,自分が今まで座学でしか知ることのなかったことを知ることができました。今回の研究視察での経験を自分の将来に活かして,今後の学生生活を送りたいと思いました。本当にありがとうございました。

 

4.宮永雅行教授の研究視察総括

 平成30年2月5日,本学の合同ゼミ(出山,墨,大内,武次,日高,宮永,柚原の各ゼミ)は,宮崎太陽銀行様の本社ビルにおいて株式会社宮崎太陽キャピタル様の研究視察を行いました。宮崎太陽キャピタル様は株式会社宮崎太陽リース様などとともに構成される宮崎太陽銀行様のグループ会社の1社ですが,地元ベンチャー企業への投資等を通じて地域経済の活性化に大きく貢献しておられる企業です。平成8年の設立以来,投資累計は38件に及び,うち,ベンチャー企業への投資が27件と,地元企業にとっては極めて力強い存在となっています。宮崎太陽キャピタル様の投資支援を通じて株式市場への上場を果たした企業も数社に及び,その中には我々が日々目にする宮崎の代表的な企業も多く含まれています。
 そもそも起業して間もないベンチャー企業は資産が少ないため担保力もなく,社会的な信用も構築できていません。したがって社債を発行したり銀行から借り入れを行うなどして資金調達をするデットファイナンスは極めて困難です。その点,その会社の技術力やビジネスモデルの将来性を目利きして,ベンチャーキャピタルファンドを通じて投資をしてくれるベンチャーキャピタルの存在はベンチャー企業にとって最後の砦となります。世界的にも国内的にも,先進的な発想をもとに起業した会社が大企業に変身していく事例が増えていますが,その多くがベンチャーキャピタルを通じた投資によって足掛かりをつかんだ企業なのです。
 今回は宮崎太陽銀行様の大会議室でベンチャービジネスについての詳細なプレゼンテーションを受けました。まず冒頭に宮崎太陽キャピタル代表取締役上野哲弘様からお話がありましたが,社長ご自身が宮崎太陽銀行様の本業の要職も兼任しておられるとのことであり,宮崎太陽銀行様と連携してこの業務を推進しているとのことでした。ベンチャーキャピタルは銀行系や証券系あるいは独立系やコーポレート系などといろいろなタイプがありますが,銀行系は特に資金面で極めて優位性が高いと感じました。この点,学生にとっては大組織が連携して機動力を発揮していくというダイナミックな展開に触れるよい機会ともなったわけで,おそらく彼らも社長のお話を興味深く受け止めてくれたに違いありません。また,社長は本学の推進するアグロポリス21にも宮崎フードバレー研究会を通じて関わっておられ,昨年本学で開催されたシンポジウムにも参加されたとのことです。大変親近感を覚えました。
 プレゼンテーションは同社の社員である津野様,金丸様にご担当していただきましたが,具体的な業務内容について単刀直入かつ詳細なご説明をいただきました。とくに投資のリスクが高く,成功した時のリターンの大きさ,失敗した時の損失の大きさなどざっくばらんにご説明をいただいたことで,学生たちは投資の世界のスケールの大きさに一種の感動を覚えたようです。多くの学生が感想文でこの点を興奮気味に語っておりました。そして何よりもお二人が嬉々として業務に携わっておられるご様子を見せていただいたことも得難い体験でした。学生たちも社会に出ると「仕事の喜び」があることについて肌で感じとることができたと思います。
 また,会場からの,将来ベンチャーキャピタル業務に携わるには学生としてどう準備したらよいかという質問に対して,上野社長が「まず,いろいろと勉強してください。そして特にコミュニケーション能力を高めておいて下さい。」と回答していただきました。いまわれわれに最も求められることを一言でご示唆いただき,非常に感銘を受けました。
 最後に出山ゼミの新竹君が,お礼の言葉を述べて今回の研究視察を終了しましたが,今回の研究視察は,全員が緊張感をもって真剣に聞き入っており,全体を通じてインパクトのある興味深い講義内容だったと実感しております。学生たちも実社会のエネルギッシュな業務形態に触れることができ,生きた学習をすることができました。また,学生であっても発想力を活かして画期的なビジネスモデルを構築した場合,支援してくれるシステムが存在することを教えていただいたことも大きな収穫でした。この学習を通じて学生一人一人が今後の自分の展開に可能性を感じ取り,自らの就職活動にも意欲をもって取り組むきっかけとなることを願っております。
 最後に,今回このような素晴らしい学習の機会をいただきました株式会社宮崎太陽キャピタル様の上野社長様をはじめ,社員の皆様に心から御礼申し上げて私の総括を締めさせていただきます。

以上

(編集 経営学部/出山実)

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