宮崎産業経営大学



入学する

学ぶ

調べる

経営学部合同ゼミ(出山、墨、武次、柚原、日髙)による 「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」研究視察報告!

 去る平成26年2月21日(金)、本学経営学部の出山実ゼミ(財務会計論、情報会計論)、墨昌芳ゼミ(観光政策論、観光経済論)、武次玄三ゼミ(職業教育、演劇論・演劇学)、柚原知明ゼミ(経営組織論、経営戦略論)と日髙光宣ゼミ(広告論、マーケティング・コミュニケーション論)は、合同ゼミによる「宮崎県工業技術センター」及び「宮崎県食品開発センター」への研究視察を行ってきました。

 「宮崎県工業技術センター」は、県内工業技術の振興を図るため、中小企業の技術開発や技術力の向上を支援する公設試験研究機関として、研究開発・技術指導・依頼分析等の支援業務を行っております。また、「宮崎県食品開発センター」は、県内の食品企業、地域の食品加工グループ等への支援する食品の総合試験研究機関として、食品に係わる研究開発・技術指導・依頼分析等の支援業務を行っております。

 本研究視察の実現に際しては、「宮崎県工業技術センター」所長の古賀孝士様及び「宮崎県食品開発センター」所長の森下敏朗様より、本学合同ゼミ活動に対するご理解を賜り、受け入れ許可をいただきました。また、大変お忙しい中ご対応いただきました両センター企画・デザイン部長の清水正高様をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。

 下記の通り、本研究視察に関する1.研究視察日時・訪問先、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4. 柚原知明先生の研究視察総括、についてご報告いたします。

 

1.研究視察日時・訪問先

○研究視察日時: 平成26年2月21日(金)13:30~15:30
○訪問先(所在地住所):「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」
            (宮崎市佐土原町東上那珂16500-2 宮崎テクノリサーチパーク内)

 

2.写真集

写真1 「宮崎県工業技術センター&食品開発センター」の美しい外観です。

 
写真2 ご説明に聞き入る学生たちの様子です。

 
写真3 「宮崎県食品開発センター」研究施設見学の様子です。

 
写真4 「宮崎県食品開発センター」で共同開発された加工食品商品群です。

 
写真5 「宮崎県工業技術センター」設備利用施設見学の様子です。

 
写真6 「宮崎県工業技術センター」にある最新のパーソナル3Dプリンターです。立体物のデータをもとに樹脂加工して、非常に複雑な形状の造形品も出力可能です。

 
写真7 シラス多孔質ガラス(SPG)の研究結果を見せていただきました。

 
写真8 共同開発された「リハビリテーション機器(歩行器)」を試用体験させていただきました。学生諸君の表情と雰囲気が、和らいだひと時でした。

 

 

3.参加したゼミ学生の感想

(経営学部2年生出山ゼミ 松川美紀さん)
 宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターについて、見学に伺って話を聞くまでどのような場所なのかよく知りませんでした。県内の中小企業との共同で実施する研究開発についての話を聞き、一つの研究開発が形となって企業の競争力になるまで多くの時間や人が関わっていることが理解できました。さらには、それが洗練されて、市場に普及するまでにはより多くの時間がかかり、研究開発の大変さを実感できました。企業の方々が何か商品を作りたいときに相談すると技術提供から販売補助までをプロモーションしてくれるという場所があるということをもっとアピールすることで、今以上に県の特産品を利用した商品ができるのではないかと思いました。

(経営学部2年生墨ゼミ 岩田海空くん)
 今回、宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターを研究視察することができて大変勉強になりました。ずっと、宮崎に住んでいるけど、このような施設があるということは知りませんでした。しかし、研究視察という貴重な場を与えていただいたことで様々なことを知ることが出来ました。宮崎県工業技術センターでは、SPG(シラス多孔質ガラス)の研究でこれを応用することによって環境や食品開発がより発展していくことが出来るとわかりとても興味がわきました。また、宮崎県食品開発センターでは企画デザイン部で話を聞いた際に商品のデザインだけでなく商品の流通などマーケティングも行うということでイメージと違いましたが、いろいろな技術が集まっていてとても面白かったです。
 宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターの皆様、大変お忙しい中、貴重なお時間を割いていろいろなことを教えてくださりありがとうございました。

(経営学部2年武次ゼミ 三森エリカさん)
 今回は、宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターを訪問し、県内産業の振興を図る活動等を知ることが出来ました。宮崎県工業技術センターでは、研究開発に関して資源環境部、材料開発部、機械電子部の3つに分かれており、センターオリジナルの開発であるSPG(シラス多孔質ガラス)について詳しくお話を聞きました。宮崎の地域資源であるシラスを生かしたもので、細かい粒子(泡)を作るものです。東京の企業と提携し商品開発を行っているそうです。また、宮崎県技術センターでは、福祉にも貢献しており脳梗塞で半身麻痺になった方に優しい補助器具を開発していました。宮崎県食品開発センターでは、宮崎の特産物を使い独自の製法で商品を作っていました。焼酎も作っており、デザインも各企業と提携しながら作っているとのことでした。サザエさんの波平の兄である海平のお酒もあり、興味を惹かれました。デザインをするところでは、企業のトータルデザインをしており、企業の方と話し合い商品開発に対するアドバイスを行っているそうです。3Dプリンターで作ったものを実際に見たのですが、試作品には可動性もあり、その可能性に驚きました。
 今回の見学では、宮崎の特産物や資源を使い宮崎の中小企業を支援するセンターがあることを初めて知りました。両センターの行っている支援が広がり、中小企業がもっと活躍出来るように自分たちにできることを考えていきたいです。

(経営学部3年生出山ゼミ 渡辺博くん)
 今回の見学により企業の研究開発のプロセスと、県内企業の研究開発のフォローする宮崎県工業技術センターと宮崎県食品開発センターの役割について理解することができました。両センターは、県の施策として資金や技術的な理由から研究開発ができない中小企業をサポートし、ゴボチや缶詰のたくあん等の素晴らしい商品を生み出しています。中小企業にとっては、自社の優位性を高めるために活用できる機関だと思います。県内においては、両センターがこれまで以上に活用され、様々なアイディアや技術、優れた商品が生み出されることを期待しています。

(経営学部3年生柚原ゼミ 山﨑納津美さん)
 施設見学の中で紹介していただいた「ゴボチ」や「たくあんの缶詰」などの商品は、メディアでも紹介された商品も多くありました。さらに食品だけでなく、医療・福祉分野では病院などと共同研究開発し、リハビリ機器等を開発しており、様々な分野において支援が可能であることが分かりました。 研究開発にはコストがかかり、特に中小企業にとっては大きな負担となりますが、宮崎県工業技術センター・食品開発センターと共同研究することで低コストでの研究開発が可能となり、企業の発展における重要な役割を担う施設だと感じました。
 就職を控えた私達にとって、この両センターの存在を知る良い機会となりました。お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

 

4.柚原知明先生の研究視察総括

 今回の研究視察は、宮崎県における科学技術のシンクタンク(think tank)として重要な役割を担っている「宮崎工業技術センター」、及び「宮崎県食品開発センター」への訪問となりました。両センターは、宮崎テクノリサーチパーク内の緑あふれる美しい環境の中に位置し、厳しい地域間競争と国際競争に晒されている宮崎県内の工業・食品企業を対象に科学技術的側面からの研究支援を行っている研究所です。具体的な研究支援としては、研究開発・共同研究、依頼試験・設備利用、技術相談・技術指導、技術交流・情報提供等を行っております。宮崎テクノリサーチパーク内の敷地内には、現在4企業が研究支援を受けながら研究開発を行っております。また、「宮崎県食品開発センター」が共同開発した商品群には、私たちの身近な人気商品であるゴボウのチップ菓子「ゴボチ」、ブルーベリーの葉茶「べリーフ」、芋のヨーグルト「たろヨーグルト」等が存在しております。

 具体的な研究視察としては、様々な研究開発の実態と研究設備、開発された商品群、設備利用に関する見学をさせていただきました。特に研究開発としては、病院や企業からの依頼に基づくリハビリテーション機器(歩行器)開発の実態についてご説明いただき、開発された機器のご紹介と実際の試用体験もさせていただきました。また、設備利用の事業については、大型プリンターからの横断幕の出力、現在話題の立体物を表すデータをもとに樹脂を加工して造形する装置である「3Dプリンター」による設計・製造プロセスと複雑な形状の造形試作品のご紹介をいただきました。多くの学生諸君にとっては、科学技術に関する研究開発の現場見学は初めての経験であり、非常に新鮮な印象と大きな驚きを感じたことと思います。

 本学の学生諸君は、日頃社会科学や人文科学を学ぶ学徒として法学、経営学、経済学、語学、歴史学、哲学、心理学等を中心に学んでおります。私たちの社会にとって社会科学や人文科学は、非常に重要な学問領域です。しかしながら、社会科学や人文科学の学問領域だけでは、様々な矛盾・歪・対立・格差等の課題を包含しながらも今日の高度化した豊かな近代社会を形成・発展させることができるわけではないのです。例えば、私たちの社会の課題である地域経済の発展や地域振興は、科学技術の存在・発展と密接に関わりながら今日に至っております。科学技術に関する主な学問領域としては、自然科学(数学、物理学、化学、生物学、医学、薬学等)や応用科学である工学(電気・電子工学、機械工学、情報工学、化学工学、生命工学、原子力工学等)が存在します。今年度の「特別講義」(平成25年11月21日)においては、両センター企画・デザイン部長としてご活躍の清水正高様より“宮崎県工業技術センター・食品開発センターの社会的役割と今後の展望”というタイトルで科学技術に関する大変興味深いご講演をいただきました。本学の学生諸君が、日頃学んでいる社会科学や人文科学の学問領域をベースとして科学技術の領域に対してもより一層の興味や問題意識を持ってもらいたいと思います。幅広い学問領域に対する興味と知見は、必ずや将来に向けて私たちを取り巻く社会の発展に貢献し、学生諸君の職業人生へ充実と豊かさをもたらすものと思います。

 本研究視察終了時には、渡辺博くん(出山ゼミ3年生)が合同ゼミ学生全員を代表して立派に御礼の挨拶を行ってくれました。これらの経験は、今後における本学での学習、及び将来の職業人生において必ず貴重な財産になるものと思います。学生諸君は、研究視察(本学の授業含む)において常に高い問題意識を持ちながら、質問や意見を整理して積極的に発言する姿勢が重要です。質の高い質問や意見は、訪問先のご対応いただいている関係者の皆様に対する礼儀でもあります。ぜひ、今後においても継続的に研鑽を積み上げていってもらいたいと思います。

 最後になりましたが、私たちの研修視察に対してご理解とご許可をいただきました「宮崎県工業技術センター」所長の古賀孝士様、「宮崎県食品開発センター」所長の森下敏朗様、及び受け入れ準備と懇切丁寧なご対応をいただいた両センター企画・デザイン部長の清水正高様をはじめとする関係者の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。今後における両センターの工業・食品企業をはじめとする地域社会へのご貢献とご発展を心より祈念申し上げます。

以上

 
(編集 経営学部/出山実)

学びについて

在学生用

学校法人 大淀学園

JIHEE


本の詳細はこちらから