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法学部 村田ゼミによる、九州大学鶴田滋ゼミとの合同ゼミ報告

 宮崎産業経営大学(以下、産経大)法学部村田治彦ゼミは、去る平成25年9月20日(金)から9月22日(日)2泊3日で福岡に行き、九州大学(以下、九大)の鶴田先生のゼミと合同ゼミを行ってきました。
 合同ゼミ当日には、村田ゼミ7名(2年生6名、3年生1名)、鶴田ゼミ4名(3年生1名、4年生3名)が参加しました。
 ゼミの内容は「当事者からの主張の要否-所有権喪失事由」(最判昭和55・2・7民集34巻2号123頁、最判昭和57・4・27判タ471号105 頁)を題材にした判例研究でした。
 初日の夕食会には井上弘樹教授(現熊本学園大学、元宮崎産業経営大学、当日、九弁連・福弁連主催の「債権法改正研修」出席)、2日目の懇親会には弁護士2名、裁判所事務官1名、裁判所書記官1名のゲストに来て頂くことができました。
 下記に1.日時とスケジュール、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4.村田の総括を、ご報告いたします。

 

1.日時とスケジュール

行 程

行 事

9月20日(金)

宮崎 (10:43) 発  高速バス
博多駅(14:32)着

18:00~20:00
    ホテル泊

 

福岡地方裁判所(写真1)
夕食会(写真2)

9月21日(土)

 
    バス

13:00~17:00
18:00~20:00
福岡発  電車
久留米着
    ホテル泊

魚市場(写真3)

九州大学(写真4)
合同ゼミ(写真5・6)
懇親会(写真7)

久留米の夜(写真8)

9月22日(日)

久留米発 電車
福岡天神着

博多駅(1805)発 高速バス
宮崎(22:05)着

 

天神散策

 

2.写真集

写真1 福岡地方裁判所 写真2 夜の食事会(博多もつ鍋)
写真3 ゼミ前の朝食の海鮮丼 写真4 九大正門前にて記念写真
写真5 合同ゼミの場面 写真6 村田ゼミ作成のレジュメ
写真7 合同ゼミ後の懇親会 写真8 久留米ラーメン店前

 

3.参加したゼミ学生の感想

■ 新田 星(2年生)

 今回の合同ゼミは、私自身、人生の転換期ではないかと思えるほど収穫の多い実りある経験になりました。
 まず、今回の合同ゼミの相手が九州大学のゼミと聞いた時は、正直私自身に勉強意欲がなく、資格取得の勉強会にも積極的に参加していない状況だったので、いくら先輩が付いてきてくれるとはいえ、自分自身、ゼミの議論を深めることができないと思っていました。
 しかし、先生の発破の掛け方が上手いのもあり、準備段階から参加ゼミ生一同やる気になり、資料作成や深い議論を展開することができ、自信をもって合同ゼミに臨みました。
 合同ゼミ当日、村田ゼミ主導のもと始まり、前半こそ私たちゼミ生が2年生中心ということもあり、分からないところを積極的に質問していくことができ、議論を展開していくことができました。分からない問題点を聞く立場ではありながら、質問の仕方等でつたない部分もありましたが、少なからず手応えを掴むことができ、自信を持つことができました。
 そうして意欲的に今回の合同ゼミに参加できて手応えまで掴めた反面、九大のゼミ生のレベルの高さに只ただ圧倒されたのも事実で、それがまたとても大きな刺激になりした。
 私たち村田ゼミは問題点の整理に時間を多く割き、実務で問題になるところを数点議論しただけでしたが、約4時間の合同ゼミの後半は九大生と私たちの先輩、先生方が様々な観点から議論をしていき、正直置き去りにされた感じがありました。もちろん分からないところは聞ければ良かったのですが、議論の展開の仕方や、順序だてて論理的に話す九大のゼミ生の姿に、1つや2つしか年齢が変わらないのにこの知識量の差や問題を解釈するスピードであったりと、歴然とした差を見せ付けられたのが何よりも刺激になりました。
 それで私自身、目指す道がほぼ固まったような気がして、最後はレベルの高い議論を聞くだけでしたが、楽しく聞くことができました。
 合同ゼミ後は懇親会もしましたが、九大生の考え方や意識の高さ、なにより学んでることが楽しいという姿が話していて伝わってきて、自分自身の意識を変えないといけないことに気が付くことができ、現在すでに大学生活が始まっていますが、意欲的にゼミの勉強や大学の講義、資格取得の勉強にも取り組むことができています。
 今回の合同ゼミでは二泊三日の内に福岡地方裁判所や九州大学内見学等もしてどれも自身の刺激になり、自身のためになる、とても実りある経験をすることができた合同ゼミでした。

 

■ 稲垣 圭祐(2年生)

 今回の合同ゼミは本当によい経験だったと感じています。九州大学は3、4年生主体でこちらは2年生主体だったために知識の差が格段とあったため、わからないところがたくさんあったなか、こちらがわからないところを指摘すれば答えてくれるなど本当に良い人たちでした。今回の合同ゼミで自分自身の勉強不足も実感することができました。この合同ゼミをきっかけに自分自身のスキルアップにつなげていきたいです。
 合同ゼミ後の懇親会では、九州大学の方だけでなく裁判所職員や、弁護士の方も出席され話を聞くことができたためとてもためになりました。
 また、合同ゼミ以外の部分では、3月まで産経大に在職された井上弘樹先生とお話をする機会や、いろいろな店に食事しに行くことなどとても充実した3日間を過ごすことができました。

 

■ 稲桝 恵一(2年生)

1.福岡地方裁判所
 時間がなく、法定内を見ることができないのは残念でしたが、福岡地方裁判所は内部の表示が非常に見やすくなっていてバリアフリーの構造になっているのが見てとれました。
2.九州大学・合同ゼミ
 九州大学の図書館を見学させていただきましたが、法学図書の蔵書数が多く様々な視点から研究や学習が可能で、自習室や会議スペースといった学習環境も整えられていました。
 昨年度は明治学院大学の今尾真ゼミを行わせていただきましたが、1年生だったので見学のみの合同ゼミ参加となりました。しかし、今回は実際の議論に参加でき、多くを学ばせていただきました。
 議論の最中には民事訴訟法の学習が足りないところもあり、相手方の先輩方に教えていただくときもありましたが、テーマとした判例を通して、裁判手続きのどういった点が問題となっているのかこれからの民事裁判の改題は何なのか、これからの民事訴訟法の学習に活かしていきたいです。
 懇親会では九州大学の先輩方から法学の捉え方や学習方法等アドバイスもいただきました。また弁護士の方や、裁判所事務官・書記官の方にもお話を聞くことができ、試験の対策方法や大学生活のあり方などご教授いただきました。
3.その他
 福岡といった経済的中心地にある都市では宮崎と比べ「競争力の高い店」が望まれ、あらゆる文化が常に出入りしているのが見て取れました。

 

■ 塩崎 崇嗣(2年生)

1.福岡地方裁判所
 法廷の傍聴は出来ませんでしたが、中は非常に整っていて綺麗な内装でした。また、裁判所が国有物であることから写真に納められず、記念撮影は苦労しましたが、それもまた良い思い出になりました。夜に裁判所の前を通った時も部屋の電気がついており、裁判所職員の方の忙しさが伺えました。
2.九州大学・合同ゼミ
 九大の敷地は大変広く、その中に法科大学院が設置されているので、大学生全体に高い意識が浸透しているように思いました。中央図書館は地下まで書物が並んでおり、充実していたので良かったです。また、憲法の判例百選に出ている事件も聴き、周るだけでも楽しめました。
 合同ゼミの九大の皆さんは科大学院を目指しておられたので、訴訟法上の問題に対しても堂々と持論を述べられており、議論を楽しんでいるように映りました。自分の足りない部分を九大の先輩方を見て学んだので、これからに活かしていけたらと思います。
3.その他
 井上先生とは、法律の考え方のお話などをしていただいて、今もそれが活きていることを実感できたので、大変感謝しております。
 懇親会では、弁護士や裁判所の方などが来られた時は、皆さんが人生目標が高いところにあり、なおかつ自分に自信を持って生きていらっしゃると感じました。それだけの努力をしてきたということが伺えたので、その姿勢を見習っていきたいです。

 

■平尾 拓也(2年生)

 今回はいつもゼミで検討しているように、事例を踏まえて、実体法と手続法と分けて事例を見ていきました。そのうち、実体法については遺言、通謀虚偽表示について、手続法については弁論主義、釈明権、法的観点指摘義務など理解していなければなりませんでした。私が理解できているという基準は、何も見ないで人に要点を説明できることです。もし今回ゼミで説明しろと言われて説明できるとは思えませんでした。特に手続法でいうと釈明権がどのように働き、どう解釈されているかや法的観点指摘義務については理解できていませんでした。私は先輩方や九州大学の方々の説明を聞いていて話について行くのがやっと、途中から話についていくことすらできていませんでした。反論や意見が言えないことは理解していないとできないから、質問すらもどのように行ってよいか分かりませんでした。
 懇親会では、九州大学の人たちとも話す機会があり、学ぶことを楽しんでいるという印象を持ちました。学ぶことを楽しむというのは、先生とも誰とも、笑いながら楽しく学ぶということです。私自身、「それをよく知る人は好む人に及ばず、好む人は楽しむ人に及ばない」という言葉がある通り学問を楽しめる人に私もなりたいと思っていました。楽しむことができるようになるには、当然のごとくその学問についてある程度理解できていなければなりません。先生が昔仰っていたことで、人は学び続けていればある一定のところでのび始めるというのがありました。そこにたどり着けば楽しむこともでき始めるのだと私は思っています。学ぶことを楽しむことができないのは、勉強不足に主たる原因があります。最初のうちは誰でも難しく、途中から分かるようになり楽しくなっていく流れは当然のことであるから、時間の許す限り少しずつでも理解していくことが重要です。したがって、続けること、つまりとにかくやる時間をつくることが重要であるから、毎日少しでも法学について学ぶ習慣をつけようと思います。
 裁判所書記官、弁護士などの方からお話をお伺いする機会もありました。その中で、私は大学で学んでいる法学を用いることができるので、裁判所事務官、書記官の仕事も魅力を感じることができました。これから、進路については出来るだけ早く方針を決めたいと思いました。

 

■二木 希穂(2年生)

 九州大学の敷地内の広さや建物の大きさ、数に驚かされました。中でも図書館は、各学部専用に図書館が設けられていて、蔵書は数もさることながら、何時のものか分らないほど年季の入ったものもあったのには驚きました。
 合同ゼミは、しっかりと議論に参加できるのかという不安を抱きながら参加したのですが、私たち2年生の素朴な疑問に対してもしっかり丁寧に説明してくださり、普段自分たちだけでは勉強していても思いつかないような答えを返ってきて、一つの問題でも様々な視点から見て答えを導き出せるように柔軟な発想を忘れないことが大事なのだということを身に染みて感じました。
 ゼミの終盤は知識が足りず中々発言できませんでしたが、九州大学の先輩方は知識の足りない私たちが聞いてもわかるような説明をして頂きとても有意義な時間を過ごすことができました。
 その後、懇親会では、裁判所事務官の方とお話しする機会がありましたが、事件を扱う上で当事者の方々に感情移入してしまうようなこのとはないのかと質問したところ、「もし感情移入するようなことがあれば裁判の公平さが失われることになることがあるかもしれない。だから、私たちは誰の不利にならないように裁判上の手続きを公平にしっかりサポートする。」と答えていただき、どの分野の法律でも「公平」さは大事だといわれていますが、手続き法においてもいかに「公平」さが大事であるか改めて理解することができました。
 今回の体験を通じて、どのような形であれ法律に携わる仕事がしたいと改めて思いました。また、九州大学の方々と行ったような活発な議論ができるようゼミ生みんなでもっと知識をつけて、楽しく学ぶ環境を自分たちで作っていきたいなと思いました。

 

■ 高村 宗汰(3年生)

 今回の合同ゼミナールでは、判例を題材にして、実体法である民法、手続法である民事訴訟法の両方の観点からの討論ができ、自身の勉強を見直すいい機会になり、非常に有意義なものとなりました。
 少数精鋭での討論会となり、少々緊張することもありましたが、お互いに意見を交換しあったり、議論をぶつけ合ったりして、短い時間ながら楽しく討論ができました。
 その後場所を移しての懇親会でも、お互いの将来の話であったり、各々がしている勉強の仕方などを話し合い、ゼミナールの討論だけでない、これからの課題を見つけるうえでもいい機会であったと思います。
 九大生は、自分が予想していた考え方や結論とは全く違う考え方や見方で事例を捉えて結論を出していて、その意見を伺うたびに感心させられることが多く、自分の見分を広げたり、新しい考え方を学べたりと改めて勉強している感覚でゼミナールに望むことができました。それと共に、短い時間で更に議論しようと思っていても、相手から出される質問や議論に対して、自分の意見を述べることができなかったり、返答に窮してしまったりして、議論が発展しなかったことについては、自分の勉強不足と共に、力不足を痛感することになりました。
 本合同ゼミナールの実現に際して、快く承諾してくださった鶴田滋先生を始め、法科大学院の試験準備等で忙しい時期であるにもかかわらず合同ゼミナールに参加してくださった鶴田ゼミの皆様にも篤くお礼申し上げる所存です。
 その後の懇親会でも、ユニークな勉強法や、法科大学院に向けた勉強に関しての悩み等、目標を持った学生としての話、同席していた裁判所事務官や書記官の方とは、現在の仕事の事情や、普段聞けない内側のお話を聞くことができました。
 今回のゼミナールや懇親会を通して学んだことに、「目標を持ってそれに向かって行動すること、共にがんばれる仲間がいるのは大切なこと」ということを改めて認識できた気がします。自分の目標に向けて、残された大学生活はあとわずかではありますが、この度の経験を生かして、今後の勉強に望んでいけたらと思います。

 

4.総括

 「日頃の教室を飛び出して、武者修行の腕試しと教室では経験できない体験をしよう!」がコンセプトでした。
 3年生は昨年明治学院大学との合同ゼミを行ったので、東京に行くことも検討しましたが、費用面等の理由から、福岡に行くことが7月中旬に決まり、そこから準備することとなりました。夏休み中なので、ゼミ員の内で希望者参加となりましたが、最も参加を望んでいた3年生の1人が病院に入院し、急遽いけなくなったのは残念でした。
 「負ける戦はしない」。ゼミについては、夏休み中に2・3年生で役割分担・協力して、何回かゼミを重ね、事前準備をして、自信をもって臨めるように配慮したつもりです。それでも、参加者には不安があったようですね。
 九大ではゼミが週2つの曜日に割り振られており、3年生は選択科目、4年生は必修科目と2つのゼミをとることができ、鍛えられています。しかも、産経大は2年生を中心とした構成であるのに対し、九大は4年生を中心とした構成で、知識や基礎学力に差があるのは当然です。
 それにもかかわらず、産経大の学生は、2年生は分からないことは質問し、3年生は自分の考えをぶつけていました。あっという間の4時間で物事は一面だけでなく多面的に見ることができ、ある問題も深く掘り下げることができ、そうすると、他の問題と根っ子のところで結びついて、複雑な課題となっていることを受け止めることができたことでしょう。そして、その点を対話・対論を通じて、明らかにして、考えていくという面白さを感じてくれたと思います。
 懇親会では、未成年者中心でお酒は飲めませんでしたが、美味しい食事に舌鼓を打ち、学生間では自分たちの立場から有意義な意見交換ができたようですね。そればかりでなく、忙しい中、時間を割いてもらい、法律に携わっている実務家にも参加して貰い、日頃、机の上、書物の中で学んでいる法律について、生きた話が聴け、また、自分の将来についても考える貴重な時間を得られたものと思います。
 ただ、良いことばかりではなかったですね。自分たちの手で本当に作り上げたスケジュールでなかった為、予定通り行動できず、体験できないことがあったり、忘れ物をしたり・・・。ハプニングが起きた時に、どう対処するかも学びことができました。
 日頃、自分たちの住み慣れた町以外にも、いろいろな顔・文化を持ったところがあり、いろいろな楽しみ方ができる、感性で感じ、しっかりと受け止め、学んでくれたようで、夏休みの終わりの一時、貴重な体験ができ、そこから学んだことをこれからの学生生活や社会生活でも活かして行って貰いたいものです。
 最期となりましたが、このような得難い機会を設けて頂いた九州大学の鶴田滋先生並びにゼミの皆様、実務家の方々には、大いに感謝していることを加えさせて頂きたいと思います。

宮崎産業経営大学 法学部 准教授(民事手続法) 村田 治彦

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